親が70歳を過ぎてくると、親の終活が気になってくるところです。40代の方に「どうなの?」と聞くと、
- 親からまだ早いと言われる
- 親が話したがらない
- 笑ってやりすごされる
という感じで、「うちの親はまったく終活してくれなくて・・・」と、困ってる方がとても多いです。
自分の仕事はあるし、一緒に住んでないし、たまにいくと物が更に増えていたりします。ましてや義理の親ともなると、勝手にやってくれという思いが強いです。
中には、掃除もするな、勝手に物を捨てるな、全部自分でできるから・・と拒否してくる親もいます。
でも、実際に亡くなってから大変になるのは自分だし、今のままをすべて残されても困ってしまう、なんでわかってくれないの?っていうのがあなたの本音だと思います。
わたしの親もそういう感じでしたので、よくわかります。
そこで、わたしの体験や専門家の意見をもとに、親に終活を始めさせるための具体的な方法や切り出し方をお伝えします。
最後まで読んでもらえれば、親との終活を円滑に進めるための貴重な情報とアイデアが得られて、お互いに幸せな毎日を暮らすことができます。
終活しない親の本音は?
親の本音を知らないまま、終活をお願いしても無駄になりがちです。
わたしの亡くなった親もそうでしたが、こちらが真剣に話をしてお願いしても、
- 「まだ早いんじゃない?」と言われる
- 「わかった、わかった、うん、うん」と言われる
- 笑顔で「そうだね」を繰り返す
という感じに答える方が多いんです。うちも、結局81歳で亡くなるまで、何もしてくれませんでした。
実は40代のときから終活をお願いしていたんですけどね。
何度も終活をお願いしてはぐらかされたときには、どうせ「めんどうくさい」とか「体を動かすのがつらい」とか思ってるんじゃないのかな?と、そのとき40代だったわたしは思っていました。
でもそれから20年近くたち、60代になった今から親の気持ちを考えると、自分が亡くなった後のことなんて考えたくもなかったんじゃないかなとわかりました。
それにわたしから見るともういらないものだとか、ゴミだとしか思えないものでも、親にしたら昔の思い入れがあってなかなか捨てられなかったんだと、やっときがつきました。
というのも、今のわたしが同じ状況だからです。
昔は親に終活をお願いしていたのですが、今は自分がお願いされる立場になりました。
いずれは天国に行くんだろうとは思っていますが、まだ早いとか、自分が亡くなったあとのことを考えると落ち込んでしまうし、考えたくもないんですよね。
それにわたしは本が大好きで、色々なジャンルの本が合計で1,000冊以上あります。どの本ももう一度読みたいとか、とっておきたいと思ってる本ばかりで、本棚を見るだけで気が落ちつくんです。
でも、家族から見ればゴミの山なんですよね。まったく興味がないし、本って意外に重くて本棚も壊れそうになってるし、まとめてブックオフに売っても1万円にもならないし。
妻からも「なんとかしてくれない」と言われています。
今わたしが亡くなったとしたら、妻だけでなく子供や親戚からも、ぜったいに「こんなもの残しやがって」っておもわれるんじゃないでしょうか。
ちょっと寂しいお話になってしまいましたが、親として終活しないのではなくて、終活したくないっていうのが本音だと思います。
まずは、そのあたりのことをそれとなくきいてみることをおすすめします。
親の終活をなるべく早く始めたほうが良い理由
今になれば、終活したくない・・という気持は良くわかりますが、それでも終活しておいてもらいたいことがあります。
それは財産の管理です。
わたしも親が亡くなる前にいろいろなニュースや雑誌で、終活は大切だとか、財産の管理をしっかりとしておいたほうがいいというは、良く目にしていました。
母親に言ってもいまいちだったし、わたし自身もまだまだかな~って思ってたんです。
ところが、母親が突然亡くなったときに、はじめて現実を知りました。
幸いなことに母親名義のものはほとんどなかったので、手続きなどは少なかったのですが、それでも亡くなってから1、2週間後までいろいろとしなければいけないことがあり、かなり大変だったんです。
亡くなった後にした事は、
- 死亡診断書の受け取り
- 死亡届の提出と火葬許可証の受け取り
- 訃報の連絡
- 葬儀社との打ち合わせ
- 葬儀
- 年金受給停止
- 遺族年金などの依頼
- 相続人調査
- 銀行預貯金払い戻し、閉じる
- クレジットカードの停止
などです。
母親だったからこれだけですみましたが、父親のときには、
- 運転免許証、車の処分
- 生命保険
- 医療費
- 世帯主変更
- 確定申告
- 相続税
- 遺産分割
- 相続登記
- スマホ
- 公共料金の名義変更
- 株式
など、細々したものがめちゃくちゃあって、仕事なんてまったく手につきませんでした。
やったことがないことばかりだし、書類がどこにあって、そもそも何を持ってたのかさっぱりわからなかったからです。
この中の何割かでも、事前に準備しておけたらと、そのときにつくづくと思ったんです。
なので、親の終活はなるべく早く始めたほうがいいと断言できます。
親の終活を進める具体的な方法や切り出し方
親の終活を早くすることが大切、でも本人たちは乗り気ではない・・・では、どうすればいいのでしょうか?
やみくもにエンディングノートとかを買ってきて、親に差し出して「書いてくれ」と話しても今までと同じです。相手にされなかったり、怒ってしまいます。
うまくいかない理由は、当たり前ですが、あなたと両親の考えかたが基本的に違うからです。
あなたは焼肉を食べたいのに、親がまんじゅうを買ってきて「コレ絶対にうまいから食べろ」と強制しているようなものです。
お腹が減って、なんでもいいから食べたいときには、たべるはずです。でも、思ってるものと違うものを押し付けられると拒否するのが、人間です。作用反作用です。
まずは、お互いの考えかたを寄り添う形にしないといけません
親とはいえ他人ですので、あなたが思っていることがテレパシーのように伝わるわけはないです。コミュニケーションがとても大切になります。
じゃあ、どうすればいいの?と思われてるはずです。
大丈夫です。家族の話し合いとか親の説得とか考えずに、会社のプレゼンテーションだと思えばいいんです。
プレゼンテーションの意味は、新しい商品を顧客に売り込むためのものですよね。説明して説得して具体的な行動を決断してもらうことです。
それと同じで、親に終活を売り込みましょう。
プレゼンのステップは、PREP法を使います。
PREP法とは、
- 結論(Point)
- 理由(Reason)
- 具体例(Example)
- 結論(Point)
という流れで話を進めていく方法です。
これを親の終活問題に応用すると、
- 終活の大切さをアピール
- 終活をする理由の提示
- 具体的な終活方法
- 終活することを再度強調
親の終活に関してステップごとに解説していきます。
ステップ1:終活の大切さをアピール
まずは、終活が大切だということを理解してもらいましょう。
終活が大切な理由は、
- 意思の明確化
- 家族の円満な関係
- 財産の適切な処理
- 医療処置の意思表示
- 経済的な準備
の5つがあげられます。
この中で一番大切なのは、意思の明確化です。
父親や母親が将来のことについてどう思ってるのかを聞いておくことです。その考えをもとに将来の設計をしていけばいいんです。
大切なのは、いらないものを片付けるとか、身の回りを整理してくれ!ということではないです。
亡くなるまでの間をいかに楽しく、幸せに暮らしていくのか、設計をすることです。
これからの設計をあらかじめ立てておくことで、家族の仲が円満になり、経済的な準備をすることができます。
この話をするときには、軽い調子で切り出してみることです。
「終活ってたいせつだよね。テレビでもやってるし、70歳を過ぎたらやっておいたほうが良いって言ってるけど」
「70歳を過ぎたら終活したほうが良いって。安心するし、もしも突然倒れられたりしても、こっちもこまっちゃうんだよね。だから、いまのうちにいろいろと話を聞かしてもらいたいんだよね」
といった感じで切り出してみましょう。
お酒を飲みながらでもいいですし、できるだけ機嫌がいいときを見はからってきりだしましょう。
切り出したときに話をするのもいいですが、日時をきめて、みんなあつまって食事をしてる時などに、ワイワイと話してみることをお勧めします。
ステップ2:終活をする理由・メリットの提示
とはいえ、そういったことを切り出しても、「わかったわかった」とか「そのうちにね」と言われて、そのままになることも多いです。
繰り返しますが、理由はわかっていても面倒くさいのと、現実を突きつけられてるようでつらいからです。
そんなときに、「そうはいってもね」「ぜひたのむよ」と無理強いすることは避けたほうがいいです。
そのあとの関係性が悪くなったり、本音を語ってくれないからです。
そういったときには、あなたの話してる「終活」は亡くなった後のことじゃないことを説明しましょう。
上でも書きましたが、終活はこれからの人生をどうやって暮らしていくのかをお互いに考えることだと説明するんです。
何も考えずに暮らしていけば、介護したり、いきなり入院する日は突然にやってくるはずです。
あらかじめそういった日がくることを想定しておけば、それまでに何ができるのかを考えておくことができます。
それは、
- 旅行
- 会食
- 家族が集まる日を決める
- 家の改装
- 引っ越し
などです。
寝たきりになってしまったら旅行なんていけないし、寝たきりじゃなくても認知症とか膝が痛くなってきたら、旅行には行けなくなります。
そうなるまでに、みんなで楽しむことを計画しておくわけです。
「終活っていうけど、葬儀や口座の話だけをするんじゃなくて、旅行とかこの家のことを話したいんだ。両親が元気なうちに、あちこちに家族そろって旅行に行きたいし、1年のうちに何回か、家族全員がそろって会食とかホテルに泊まって楽しみたいよね。そんな計画も立てたいんだ」
といえば、きっと納得して話し合いに応じてくれるはずです。
たとえやることは一緒でも、
「亡くなった後がとても大変なんだよ、だから、片付ける手伝いや葬式の予定をたててくれない?」
というよりも、何百倍もマシですし、人間として相手を思いやる気持ちをもって話ができるわけです。
嫌な話もしなければいけないけど、それ以上に楽しい話をしてメリットをわからせることがとても大切になります。
ステップ3:具体的な終活方法
具体的に話し合うことは、上でも書きましたが、
- 意思の明確化
- 家族の円満な関係
- 財産の適切な処理
- 医療処置の意思表示
- 経済的な準備
になります。
「意思の明確化」は、家や財産、葬儀などをどうしたいのか?を聞くことです。
家だったら、誰に次いでもらいたいのか、それとも継がずに売り払って老人ホームに行くのか、財産はどのように分けるのか、それとも全部売り払って生活の足しにするのか、などです。
葬儀や入院なども、親独自の考えがあるはずです。
それを聞いて、親が望むような生活にしてあげることがとても大切になります。
「家族の円満な関係」は、親だけでなく子供全員集まって話し合っておくことで、はっきり言うとだれが親の面倒を見るのか?ということです。
親の面倒を見る代わりにすべてを相続したり、経済的な援助をもらったり、いろいろ決めておくことがあります。そのあたりを子供同士で話しておきましょう。
そして、毎年1回は旅行に行くとか、家族や子供たち全員が集まる日を決めるとか、これからの暮らし方を話し合っておきましょう。
これは親孝行をするためのものです。
わたしのように、生きてるうちにもっと旅行に連れて行ってあげれば・・なんて思いをしないように、あらかじめ何ができるのかを元気なうちに考えておくためのものです。
親のためというよりは、あなたのためのもので、何ができるのかを兄弟たちと一緒に考えておきましょう。
「財産の適切な処理」「医療処置の意思表示」「経済的な準備」は、一般的に言われてるエンディングノート(終活ノート)に書かれてることを確認することです。
終活ノートは、
- 基本情報
- 預貯金
- 資産、カード
- ウェブ関連
- 親族、友人
- 告知・延命処置
- 葬儀
- お墓
などが書きやすいように、テンプレート形式でノートになってるものです。
最低、赤い文字の預貯金、資産、カードだけでいいです。銀行口座とハンコだけは、はっきりとさせておきましょう。
(引用:コクヨ)
このコクヨのエンディングノートは、楽天市場で買えます。
終活ノートを書くのは、後日でも大丈夫です。ゆっくりと正確に書いてもらうことです。
一緒に書いてもいいですし、購入してそのまま親に渡してもいいんじゃないでしょうか。
何も考えずに、1ページ目から読みながら書いていけばそれで完了してしまうので、とても楽です。
ただ、どうしても書く内容が人それぞれにだいぶ違ってきます。
項目によって書ききれない場合もありますので、別に真っ白なノートを買って、終活ノートを見ながら、そちらに書いていくほうがきれいに見えて楽かもしれません。
この経験はあなた自身の終活にも参考になります。まだ40代ですが、50代、60代になったらやらなくてはいけないので、予行演習としてみておきましょう。
ステップ4:終活することを再度強調して行動を促す
話し合いの席で大切なのは、両親や兄弟たちとの意思の疎通、一本化です。
これからの親との生活をどのようにしていくのかを、明らかにすることが大切です。
あやふやなままで終わらせたりしないように、はっきりとどうしたいのかを聞きましょう。
もしかしたらその場では結論が出ないかもしれません。終活ノートも含め、後日に持ち越しても良いのでしっかりしたしたことを決めることです。
そして、それを書類などにして親と兄弟たちに渡しておきましょう。
もちろん書かれてる内容に変更があったら、お正月など全員が集まるときに、話し合いをして随時変えていくことです。
逆に、お正月のようなときに、全員で見直しをしても良いかもしれません。
忘れてるのを思い出させるという意味でもいいことですし、預金などは1か所にまとめたほうが良いとか、良い意見が出てくることも多いです。
膝や腰が悪くなってきたから、もう旅行は無理とか言われるかもしれません。
そのための終活なので、臨機応変に順次変えていくことが大切になってきます。
終活しない親を終活させるには?
親に終活するようにうながしていくことを、40代から始めたほうが良い理由とその方法を紹介してきました。
40代の方自身の終活というと、まだちょっと早いのですが、40代の方の親の終活はそろそろ必要になってきます。
人生100年の時代になろうとしていますが、60代、70代でもとつぜんに亡くなってしまうというニュースも良く報道されています。
厚労省からは平均寿命と健康寿命について発表されています。
(引用:厚労省)
青い折れ線グラフが平均寿命で、赤い折れ線グラフが健康寿命です。
2019年では、
- 男性平均寿命 81.41歳
- 男性健康寿命 72.68歳
- 女性平均寿命 87.45歳
- 女性健康寿命 75.38歳
平均寿命と健康寿命の間で、男性、女性ともに、約10年の差があります。
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。
つまり最後の10年間は、寝たきりとか介護されながらでないと、生活できないんです。
まだまだ60代、70代と思っていても、実は、一人で健康に生活できるのは、それほど長くないことに気づいてください。
ですから、元気で動きながら生活できるときに、やりたいことをやっておくのがとても大切になります。
それを考えるきっかけが終活になります。
終活というと、片付けや相続、お墓、葬儀などの亡くなった後のことを考えがちです。
でも、親はまだ生きてるんですから、一緒に楽しい時間を過ごすことも終活のひとつだといえます。
親孝行とは単純に介護するだけじゃないです。一緒に楽しみながら何かをしたり、思い出をつくるのも親孝行ですし、あなた自身のためです。
「親孝行したいときには親はなし」なんていう状態になれば、お互いに不幸になってしまいます。
そうならないためには、元気で動けるうちに、家族全員そろってこれからのことを考えていきましょう。
なくなってから気づくものはたくさんあります。そうならないためには、今なにができるのかをしっかりとかんがえて実行していくことが大切です。
参考文献
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人生に迷っていたら
毎日がつらい、苦しい、大変、・・・など、どうしたらいいのかわからないってことはよくあります。
そんなときに、少しでもあなたのお役に立てればと思って、人生の生き方について、わたしの経験を元に色々と記事を書いています。
その中で、40代の方によく読まれている記事をまとめました。
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