大阪女学院大学の学長で国際・英語学部教授の加藤映子先生が、何度か『世界一受けたい授業』に出演されて絵本を紹介されてきました。
加藤映子先生は、絵本の読み方、選び方のプロです。10分で子供を寝かせる絵本や、ボキャブラリーを増やす本、仕掛け絵本などを紹介してくれました。
2020年にはご自身がハーバード大学教育学大学院で学ばれたことを、『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』という本に上梓されました。
加藤映子先生が紹介された絵本や多くのお母さんに支持されている大人気の絵本を紹介します。
加藤映子先生が11/19に紹介された絵本
11/19の『世界一受けたい授業』
11月19日の「世界一受けたい授業」で紹介された絵本は、
1行目のゾロリの本は、29年前からシリーズである本で、東大生の8割の人が子供に読んであげたいと言う本でした。
最後の「ずーっとずっとだいすきだよ」は、ゲストの佐藤栞里さんも涙ぐんでいたほど、良い絵本です。
ペットだけでなくて、大事な人にちゃんと想いを伝えるって言うのは、大事なことだと言うのがテーマです。
中村江里子さんも、たまたま先日読み聞かせをしていて、仲村さんが号泣してしまったと話されていました。シンプルな絵本の中に、本当に大事な事って隠されているのかもしれませんね。
子供を10分で寝かせる絵本とは?
子供を10分で寝かしつける絵本は、
まあ普通の絵本なんですが、番組では、9分で寝てしまいました。午後6時でしたが。
この本のトリックは3つ。読む人に向けて指示が書いてあるんです。
- 絵本に登場する主人公を、子供の名前にする。
- ゆっくり読む(青い文字になってる)
- 物語の後半に、「あくびをする」などの指示がある。
つまり、絵本のなかに子供の意識を飛ばしてしまうということと、ゆっくり眠気を誘いながら読むということです。
これを応用すれば、どんな絵本でもおなじような効果が得られそうです!子育て真っ最中だったら、せひ応用してみてください。
子供のボキャブラリーを増やす絵本は?
子供のボキャブラリーを増やす絵本は、文字の無い絵本だと解説されて今す。どんなものでも良いのですが、文章が一切ない本が良いと話されていました。
これは、読む人が自由にストーリーを作れる本です。というか、絵だけが描かれているので、ストーリーを子どもと一緒に創っていかなくてはいけません。
さらに、そこに子供を巻き込んでいくことが大事です。そのためには、質問の仕方を考えてみてください。
例えば、
- この熊さんは、この後にどこに行ったのかな~?
- この熊さんは、なんてい言ってるのかな~?
みたいに。
その結果、子供はいろんな言葉が身につき、自由な発想力も身につくという事です。
別な番組で、アグネス・チャンさんが同じことを言ってましたが、物語を想像していくのは、子供が天才になる秘訣だということです。
たしかに、やってみると判りますが、とんでもないことを言う時があります。それはそれで、楽しいですし、親の方が刺激を受けます。文字の無いの本は、特におすすめです。
今流行っている仕掛け絵本。
今、流行っている仕掛け絵本を紹介してくれました。
- モーションシルエット(ライトを使う絵本)
- 今日のおやつは(鏡を使った絵本)
- サファリ (動物が動いて見える)
1冊目の絵本は、「世界で最も美しい本コンクール」で賞を受賞しています。
ページ数は少ないんですが、かなり夢のある絵本です。読む人がライトを使って、話を盛り上げていくという絵本です。
仕掛け絵本って、実際に見てからでないと、買うのが怖いのですが、上の3冊は、メチャクチャお勧めです。大人が見ても、感動してしまいますので、ぜひ、見てみてください。
最後に紹介されていたのは、
『おおきな木』(村上春樹訳)
世界で1000万部売られているベストセラーです。
ただ、ストーリーに賛否両論ありますし、村上春樹さんの訳も賛否両論あるみたいです。番組のなかでも、俳優の平泉成さんが朗読されていましたが、意見が割れていました。
シェル・シルヴァスタインというアメリカのイラストレーター、シンガーソングライターの絵本です。
簡単に説明すると、こどもと大きな木の物語で、生まれてから亡くなるまでの間を描いています。これは、10回くらい読まないと、伝わってこないかもしれませんね。
子どもの成長のための絵本の読み方を解説
番組では、お話しされなかったんですが、加藤映子先生は、絵本の読み方も普段は教えています。良いとかわるいとかではなくて、こういう読み方もあるってことだと思います。
どういうことかと言うと、日本では、主に、お母さんが一方的に絵本を読みますよね。
子供の顔と絵本を交互に見ながら。でも、アメリカでは、会話をしながら読んでいるようです。
例えば、『はらぺこあおむし』だったら、「月曜日・・・火曜日・・・水曜日・・・」って読んでいった後に、「木曜日は?」と途中で子供に質問するんです。
桃太郎だったら、「犬にきび団子をあげたら、どうしたと思う?」みたいな感じで、子供と対話をするほうが大事だと考えられているようです。
その方が、コミュニケーション力が高まると、加藤先生は話されています。文字の無い絵本と同じ理屈ですね。
確かに、いつも同じ話で、いつも同じ調子で一方的に話を聞いていても、あまり脳の発達にはならないかもしれません。
アメリカと日本の教育の仕方の根本のような気がします。日本の教育は、詰め込み式、記憶重視で、たくさんの事を覚えた人が頭が良いとされてれます。
でも、アメリカでは、覚える事よりも、発想する力を重視しています。新しい発明とか、進化するビジネスもアメリカの方が進んでいます。ジョブズ氏とか、ゲイツ氏とか、発想力のたまものですよね。
これはどちらがイイとかではなくて、両方とも育てていくと良いということです。
最近、話題になりましたが、東大生の4割は、アスペルガー症候群だという話です。これって、まさしく記憶重視の結果ではないでしょうか。
実際に社会に出た時に役立つのは、発想力とか、コミュニケーション力も大事なんです。
なので、できれば、文字の無い絵本とか、質問しながら絵本を読んでいく方法をしてみたらいかがでしょうか。
きっと、お子さんのためになるはずです。とりあえず、ちょっとずつ質問を入れていく方法を試してみてください。お子さんの発想力のすばらしさにびっくりするはずですよ。
加藤映子先生は、そのことをこちらの本にまとめていらっしゃいます。
『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』
ぜひお読みになってみてください。
加藤栄子先生が7/9に紹介された絵本
ホセ・ムヒカ大統領の絵本
来日した、ホセ・ムヒカ大統領のスピーチをまとめた絵本です。良い言葉がたくさん書かれています。
「貧乏とは、少ししか持っていない事ではなく、もっともっと欲しがることである」
23万部の大ヒット作品です。
絵本を選ぶためのサイト
です。一回だけ無料で読めるので、話の内容、絵、話の終わり方などをチェックすることができます。中身が知らないと、絵本の場合、こわいですから、こういったサイトは助かりますね。ここに書かれている絵本を、この絵本ナビで調べてみるのもいかもしれません。
ヨシタケシンスケさんの絵本
発売して3日で、10万部突破した絵本です。
この絵本は、子供の発想力を育てる絵本です。リンゴかと思ったら、さくらんぼだったり、何かの卵だったり。やはり、お子さんとお話ししながら、読み進める絵本です。2013年に出た絵本です。
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この絵本は、おじいちゃんが亡くなった後のお話で、亡くなった後はどうなるのかを、一緒に考える絵本です。でも、暗くはなくて、大喜利とかでていて、とっても面白い絵本です。
番組では紹介していませんでしたが、ヨシタケシンスケさんの絵本です。
仕掛け絵本
ニューヨークのベストイラスト チルドレンズブックに選ばれた絵本です。単純に、仕掛けが出てきて、600個の黒い丸を数えるという絵本ですが、これは、喜びます。探究心を育てるのにぴったりの絵本です。
これは、右下についているおもでゃの車やテントウムシが、絵本の中を走る仕掛け絵本です。絵本を開けると、道のとおりに溝が掘ってあって、ぜんまいをまいた車やてんとうむしがその道の通りに走っていくものです。かなりおもしろい発想です。
- こひつじメエちゃん
- ふわふわわんちゃん (パペットしかけえほん)
- むくむくこねこちゃん (パペットしかけえほん)
- ピーターラビットみんなだいすき (パペットしかけえほん)
- ふわふわうさちゃん (パペットしかけえほん)
- おやすみ くまくん (パペットしかけえほん)
この絵本は、真ん中のこひつじメエちゃんなどに手を入れてお話ししながら読むパペット絵本です。
加藤栄子先生イチオシの絵本
この絵本は、作者の原田剛さんの実話が元の絵本です。
実家が農家だった原田さん。子供の時に、余ったなすを鬼のような顔をしたお母さんから、売ってこいと命令されて、近所に売りに行ったそうです。要は、訪問販売ですから、どの家からも、ぼろくそに言われたそうです。一つも売れないで戻ってきた時に、お母さんは、さらに鬼のような顔で、次の日には必ず売ってこいと言ったそうです。
その後は、意外な展開になるのですが、ココでは辞めておきます。
今では、大手の出版社の社長になった原田剛さんが、この絵本に込めた想いは、
親とは、つくづく子供の誕生と同時に、いろいろな要求を続ける生き物です。
「思いやりのある子」になってほしい。
「いつもがんばれる子」になってほしい。
「成績のいい子」になってほしい。
「スポーツのできる子」になってほしい。
こうなってくれると、おやはうれしいことでしょう。
でも、もう一つ大事なことをお願いします。
どうか「たくましい子」にそだててあげてください。
もしも、明日あなたが事故で亡くなっても
もしも、お子さん一人だけになったとしても
自分の道を切り開ける、生き抜く力を持った
「たくましい子」に育つよう見守ってあげてください。
どうか、アナタが生きている間に。
(出展:あとがきより)
と書かれています。その思いがビンビン伝わってくるような、とても素晴らしい絵本です。あとがきを読んで、もう一度初めから読み直すと、涙が出て止まりませんでした。
ぜひ、お子さんというよりも、親であるあなたにも読んでもらいたい絵本です。7月9日の「世界一受けたい授業」で紹介された絵本は、以上です。
加藤映子先生以外の人気の絵本作家さんの絵本
鈴木のりたけさんの絵本一覧
鈴木のりたけ氏が一躍有名になったのは、『大ピンチずかん』という絵本です。
おそらく『情熱大陸』でも紹介されると思います。
アマゾンでは、試し読みもできますので、是非ご覧になってみてください。⇒大ピンチずかん
はじめに書かれてる文章は、
「大ピンチをしれば、いつ大ピンチになってもこわくない」
です。
子供にも響くと思いますが、おとなにもこのコトバはずっしりと響くはずです。
こちらの『とんでもない』もとてもおもしろい絵本になっています。
この絵本のテーマは、「自分にないものは、とてもよく見える。でも実際には・・・」といったかんじです。
関連:人生は勝つことがすべて
もう一冊、表紙入で紹介します。
こちらは色々なお風呂が出てくる絵本です。
鈴木のりたけ氏の書かれる独特な絵と、子どもたちの想像の世界とすごくマッチしていてとてもたのしいえほんです。
他にも、たくさんの絵本があって、鈴木のりたけ氏はいまのところ67作品を手掛けていらっしゃいます。
『情熱大陸』で紹介されるのは、
鈴木のりたけ氏は、この『しごとば』シリーズなどで、「仕事」をテーマにしてこどもたちに伝えようとされています。
のぶみさんの絵本一覧
のぶみさんは、『情熱大陸』やその他のメディアで取り上げられていて、とても有名な絵本作家さんです。
そんなのぶみさんの絵本をまとめてみました。
- ママがおばけになっちゃった!
- さよなら ママがおばけになっちゃった!
- ぼく、仮面ライダーになる!
- ぼく、仮面ライダーになる! エグゼイド編
- しんかんくんうちにくる
- いのちのはな
- サンタパスポート
- あたまのうえのかみさま
- ジュウオウジャーかぞく
- 「自分ルール」でいこう!
- 暴走族 絵本作家になる
1行目の「ママがおばけになっちゃった」は、誰もが号泣する絵本です。題名の通りの内容ですが、お子さんがいれば、ぜひ、買って読んでみてください。近所の書店にもきっとあるはずです。
のぶみさんがゆうめいになったのは、仮面ライダーとしんかんくんです。
最後の「暴走族 絵本作家になる」は、絵本ではなくてのぶみさんの自叙伝みたいな本です。
のぶみさんの絵本の作り方
2017年の『情熱大陸』では、9か月も、のぶみさんの絵本つくりの現場に密着されました。
のぶみさんは、一番初めに何を言いたいのかを考えると語っていました。今回の密着では、人生についてでした。そのあとに、タイトルを決めてキャラクターを創られるということです。
その次にされていたのは、物語の軸を決めると言うことです。基本のストーリーの流れですね。その上に、笑いと感動を載せていくと話されていました。
ただ、その時に考えるのではなくて、いつも、頭の中に浮かんだアイデアをスマホに記録しているそうです。それを見ながら組み合わせていかれていました。
のぶみさんは読み聞かせを頭に置かれているので、15個の開きページで、3~5分で読める物語をつくられるということを徹底しているということです。
そのときの『情熱大陸』では、下書きをシャーペンで始められれて、物語を進めていくと、びっくりしましたがのぶみさんご自身で涙を流されていました。
そのまま最後で作り上げるのかと思っていましたが、そこで一度筆をおいていました。
その後に講演会に行かれて、そのときに書いていたお話をじっさいに読み聞かせていました。よくみてみると、子供たちやお母さんたちの反応を見ていたんです。
その反応を持って、仕事場に戻られて、初めの下書きを直されていました。漫才とかコントの仕上げ方に似ていますね。
その書き直したものを、また別な場所で読み聞かせをされていました。
この作業を30か所くらいで読み聞かせをするということです。
そのうえで、やっと清書にかかって、2週間後、完成された絵本になります。始めてから、4か月かかることもあたりまえだということでした。
そうやって作っているので、多くのお子さんたちやお母さんたちにすんなりと受け入れられる素晴らしい絵本なんだと改めて感じました。
ぜひ、手にとって読んでみて下さい。
特におすすめは、いろんな番組で紹介されていますが、「ママがおばけになっちゃった! 」です。
いろんな意味で、読まれることをお勧めします。ユーチューブにこの絵本の読み聞かせが載っていましたので、買う前に見てみてください。
のぶみさんが紹介している絵本
のぶみさんも『世界一受けたい授業』でに出られていて、のぶみさんが作った絵本以外の絵本も紹介しています。
もしもどれにしようか選べないのでしたら、この中から選んでみることも良いかもしれません。