メタンハイドレートの価値が3.3兆円だという見込みが経済産業省から出てきました。
そもそもメタンハイドレートとは何か、知ってますか?石油とか石炭に変わる夢のエネルギーと言われていますが、その実用化の可能性と、いつごろになるかが興味ありますよね。そこで、メタンハイドレートの長所と短所を調べてみました。
メタンハイドレートとは?
メタンハイドレートとは、ウィキペディアによると
メタンハイドレート(英: methane hydrate)とは、低温かつ高圧の条件下でメタン分子が水分子に囲まれた、網状の結晶構造をもつ包接水和物の固体である。およその比重は0.9 g/cm3であり、堆積物に固着して海底に大量に埋蔵されている。メタンは、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分であるため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギー源であるとされる(天然ガスも参照。)が、メタンハイドレートについては現時点では商業化されていない。化石燃料の一種であるため、再生可能エネルギーには含まれない。
(ウィキペディアより引用)
簡単に言うと、何個かの水分子が手を取り合ってカゴを作って、その中にメタンが一つ入っているというイメージです。
こんな感じ。
メタンと言うのは、都市ガスの中の80%を占める物質で、要はよく燃えるものです。
つまり、メタンハイドレートに火をつけると、よく燃えて、水しか残らないんです。言って見れば、天然ガスが固形になったみたいなものです。その際には、二酸化炭素も多くは出てきません。
しかも、このメタンハイドレートの凄いところは、1立方メートルのメタンハイドレートから、164立方メートルのメタンガスと、0.8立方メートルの水が生成されるんです。
ただ、問題があるんです。
メタンハイドレートは、1気圧、つまり、私たちが暮らしている環境では存在できません。
メタンハイドレートが安定して存在するには、
- 1気圧下で、マイナス80℃以下
- 10気圧下で、マイナス30℃以下
- 50気圧下で、プラス6℃以下
- 100気圧下で、プラス12℃以下
の条件が必要になります。
地上でマイナス80℃以下の所なんてめったにないですよね。
北極の観測基地や南極の昭和基地でも、平均気温はマイナス10℃くらい。最低気温でマイナス45℃がせいぜい。
なので、地上では存在しません。
存在できるのは、陸上だったら、永久凍土の下500m位の所か、海の底500m位の所なんです。
永久凍土でしたら、ある程度の圧力はあるし、かなり低温になります。現在では、カナダとか、極地方の永久凍土の下に確認されています。
海洋では、温度があまり下にならなくても、存在することが可能になります。
というのは、水圧です。
海の中では、10mで1気圧下がります。
つまり、500mもぐると、50気圧の圧力がかかる訳ですね。
50気圧だと、プラス6℃以下まで存在できるので、かなり安定して存在することができます。
日本では、そこに目を付けたんです。
そこで、太平洋、日本海で調査をしたところ、実は、世界最大のメタンハイドレートの埋蔵量が確認されたんです。
この量は、日本の天然ガス使用量の100年分に匹敵する量なんです。
日本の太平洋側が、真っ赤になってるのがわかると思います。
つまり、自分の国でエネルギーをまかなうことができてしまうということです。
さらには、東アジアの国へも輸出することが可能なんですね。
ただ、良いところもあれば、問題点もあります。
メタンハイドレートの長所と短所は?
メタンハイドレートの長所と短所を見ていきましょう。
まず、長所としては、
- 二酸化炭素を多く輩出しないクリーンエネルギーと言われています
- 自国内でのエネルギー生産ができるようになります
次に、短所としては、
- 技術がおいついていない
- 経済的に採算が合うかどうかが未定
つまり、採算が合う価格でのメタンハイドレートの生産方法が、まだ確立していないということです。
ただ、今回でた経済産業省の試算では、
「燃える氷」とも呼ばれ、次世代燃料と期待されるメタンハイドレートを商業化した場合、3兆3千億円程度の売り上げが見込めると経済産業省が試算したことが17日、分かった。政府がメタンハイドレートの販売金額を試算するのは今回が初めて。技術開発などで政府が投じた予算総額の30倍を超える効果があり、平成28年度に最終段階を迎える開発計画の進展にも期待が高まりそうだ。
(ヤフーニュースより引用)
現在では、590億円ほどの投資が行われているんですが、これからの投資も含めて、3.3兆円の売り上げが見込めるとなると、かなりのお得感がでてくるとおもいます。
ただ、問題なのは、買う立場での価格です。
今、ガソリンでしたら、1L当り110円位、都市ガスでしたら、1立方メートルあたり125円くらい。
この金額よりは、最低限、少なくならないと意味がないような気がします。
例えば、産油国でしたら、ガソリンがただみたいな値段になっていますよね。それと同じです。
また、もう一つの問題としては、太平洋側と日本海側のメタンハイドレートの採取方法が違うということです。
日本海側では、量は少ないと思うんですが、あまり他のものが混ざっていない状態で海底にあるらしいのです。
太平洋側では、大量にあるのですが、砂が混ざっていて、これを取り除く技術がさらに必要だと言われているんです。
なので、太平洋側をメインに開発が進んでいるらしいのですが、そこに、多くの人の利権が絡んできて、ややこしくなっているようです。
そこら辺りをクリアにしない事には、詐欺師のような人達も現れているようなので、注意が必要です。
まとめます。
メタンハイドレートは、日本にとっての命綱かもしれません。
このまま、少子高齢化が進むことによって、かならず国力は下がります。
その時に、自国生産可能なエネルギーを確保することができたら、どれだけプラスになるのかはかりしれません。
それがあるだけで、世界的な立場も強くなれるし、多くの国々にも恩恵を与えることができるようになります。
そのためにも、技術力をしっかり高めて、効率よくエネルギーを取り出す仕組みを作っていってもらいたいと思います。
とりあえず、国が主体で、民間が補助として入っていくことでうまく行くことができると思うんですが、一応、2030年代の後半には、商業化ができるらしいので、楽しみに待っていたいですね。
国会の先生も、居眠りしている場合じゃないと思いますよ。
コメント
「詐欺師のような人達も現れているようなので」とありますが、どのような点に詐欺師があらわれる余地があるのでしょうか?
コメントありがとうございます。
まだ採取法、精製法など確立していない段階で、儲かるから出資してくれとか、お金があれば技術を高められるからなどと言って、国からお金を引き出したりする人が現れてくると思います。
いやー 素晴らしい燃料が将来実現しそうで楽しみです。国も1兆円くらい投資して早く国民が使えるよう頑張ってほしいです。
コメントありがとうございます。
採掘技術開発、採算性問題点など多々有りますが自前のエネルギーを持つことは経済戦略、防衛戦略、外交戦略、において大変重要な事でわないでしょうか、85歳以上の高齢者医療に多額予算(延命治療の為の)をつぎ込むより未来のためににエネルギー開発に予算付けてほしです。(ちなみに私は65歳です)
コメントありがとうございます。
[…] メタンハイドレートとは?実用化の可能性はいつごろ?長所と短所を調べてみた […]
[…] メタンハイドレートとは?実用化の可能性はいつごろ?長所と短所を調べてみた […]
メタンハイドレートはおそらく役に立たず開発企業省庁の利権のまま終わるでしょう
溶かしてガスを取り出すエネルギーが多く一と取り出すために十を投入する
エネルギー需要の減少と藻由来の油が実用化に近づいてるので地球温暖化などのを考慮してそちらの方が役に立つでしょう
貴重な上場ありがとうございます。
参考になりました。
自前資源は日本人の夢、日本国内で大事に消費して海外資源国に足元を見られない国にしなくてはいけない同時に石油の資源も開発してもらいたいものですあとレアメタルも、日本が苦しんだ東日本大震災時高い値段で資源を買わされたことを日本人は忘れてはいけない。
コメントありがとうございます。
わたしもそう思います。