福井の小川明彦社長が『カンブリア宮殿』に出演されます。オレボで有名ですね。
小川明彦社長は、大津屋という酒屋を継いだんですが、福井で初めてのコンビニ「オレンジBOXおおつや」を展開したり、ユニークな店舗「オレボステーション」「オレボキッチン」などで大成功を収めています。2013年度の平均日販が全国で3位、客単価が全国2位とものすごくお客様に満足されているコンビニです。そのコンビニを立ち上げた小川明彦社長の経歴と成功の秘訣は何でしょうか?
小川明彦社長の経歴
小川明彦社長は、
- 1956年8月1日生まれの59歳。
- 福井県福井市出身
- 福井県立高志高等学校、慶應義塾大学商学部卒業
1979年、大学卒業後、地元の福井県に帰って、実家の酒屋「大津屋」を継ぎます。
大手の企業に就職することも考えたようですが、「自分で意思決定し、実行する仕事をやりたい」という思いから、実家に入ったそうです。
ただ、「大津屋」さんは、普通の酒販店ではないんです。
大津屋は、1573年(天正元年)に酒造業として創業された老舗です。両替商もやっていたと言われています。天正元年と言うのは、織田信長のころで、浅井長政の自害や、松永久秀の織田信長への降伏、一向一揆のころです。
ものすごく歴史を感じる由緒正しい酒造店だったんです。
昭和30年代には、「旭美人」という銘柄もあり、酒税納付も管内で一番でした。
しかし、小川明彦社長があとをついだときには、タダの酒屋さんになっていたそうです。
大学で学んできたことを元にして、家業を発展させる決意をしたようです。
その時の気持ちは、
「継ぐべきものがあったのはうれしいことでした。でも、酒屋の将来は本当に危機的でした。当時、今日のような新しい事業の展望があったわけでもありません。ただこのままでは必ず駄目になる確信だけははっきりとありました。この危機感がすべての出発点だったと思います」
(チャレンジ環境経営様より引用)
と語られています。
そして、福井県で初めてのコンビニへと、業態変化を遂げていきました。
コンビニでの戦略は?
現在では、大手が3社に絞られましたね。
- セブンイレブン
- ローソン
- ファミマ
小川明彦社長のころは、もっとあったはずです。am/pm、Kマート、サークルK(これはごく最近ですね)など。
小川明彦社長も、この大手のいずれかに所属してFCになる選択肢もあったと思います。
現実的に、これから始めようと思ったら、そちらの方が手っ取り早いはずですよね。ノウハウも何も分からない状態ですから。
その時に、なぜ、小川明彦社長は自分でやろうと思ったのか?
それは、FCになることと、大手に就職するのと同じことなんじゃないか?と考えたのではないでしょうか?
実家を継ぐと決めた以上、大手の傘下に入るのではなくて、独自の道を切り開いていこうという固い決意があったと思います。
それが考え方の根本にあったんで、大手とまともに戦っても勝ち目がないという思いから、大手がやれなくて、お客様に喜んでもらえるようなものを探していったんだと思います。
その答えが、地域密着と店内調理、24時間営業だったんだと思います。
そして、1981年、コンビニ「オレンジBOXおおつや」を開業します。
当初は、普通のコンビニだったんじゃないでしょうか?今では、「普通」になっていますが、当時は、24時間開いているというだけで、ものすごかったんですけどね。それだけで、お客さんがたくさん来たはずです。
ただ、その時思ったそうです。「コンビニのお弁当はおいしくない」と。
そして、学生さんたちが沢山来ていたので、学生さんたちに喜んでもらえるようにと考えたのが、手作りのお弁当やお惣菜だったんです。
1994年から、米飯、弁当惣菜ショップを出店していきます。これが、「オレボステーション」「オレボキッチン」となっていったんですね。
現在では、「1グラム1円ランチバイキング」「1グラム1.2円ディナーバイキング」「フリーチョイスオードブル」など、様々な商品を開発してお客様に喜ばれているみたいです。
さらに、2000年に、ギフト専門店「これがうまいんじゃ大津屋」を出します。これは、ネットショッピングで、福井のおいしいものをネットで買うというものです。
小川明彦社長は、食の分野だけではなくて、人材育成の方も始められています。
2007年、「オレボビズスクール」を立ち上げています。ビジネスマンや起業家に、ディスカッション授業をメインに「ケースメソッド」教育をされています。
やはり、人が育っていかない事には、社会の発展はないとかんがえられているようです。
ご自身は、2013年に「中小企業だから仕掛けられるマーケティングの大技」(電子出版)を出されていますので、良かったら読んでみてください。
小川明彦社長が成功した秘訣は?
小川明彦社長が成功した秘訣は、
柔軟性
ではないでしょうか?
柔軟性というのは、初めからある考え方に縛られないということです。
どの時点で縛られていないかと言うと、
- 酒屋を継いだ時
- コンビニ
- お弁当屋さん
- 地域創生
その時々によって、多くの選択肢があり、さらには自ら選択肢を増やしているんです。
具体的に言うと、酒屋を継いだ時に、それまでの考え方をして事業を伸ばすとすると、
- それまでの酒屋をそのまま続ける
- 酒屋さんを発展させる。(飲み屋街に営業をかけるとか)
- 自販機の酒屋さんに替えて、事業を縮小する
- 大手のショッピングセンターに入る
になってしまうと思うんです。
そこに、福井県ではなかったコンビニと言う考え方をあらたに導入しています。
頭が柔らかいとしか思えませんね。なんたって、400年の歴史がある元造り酒屋さんですからね。周囲の反対もすごかったと思います。
コンビニの場合はどうでしょうか?
- 大手に入る(FC)
- 品数を多くする
- 広告を多くする
などでしょうか。
おそらく、売上的に大手に押されてたことも原因していると思います。
その時には、ふたたび、小川明彦社長は柔軟性思考で考えるんですね。
手作りのお弁当、総菜を導入しようと考えたんです。コンビニ弁当は冷たくて、おいしくなかったと話されている所から想像しました。
当時、ホッカホカ弁とかのテイクアウトの手作り弁当やさんが流行りだしてきたころです。
いち早く、そのビジネスを取り入れたのではないでしょうか?
その次は、お弁当屋さんでは考えられないことを始めています。
バイキング制のお弁当。これ、そうとうぶっ飛んでます。
バイキング制なんて、普通のお弁当屋さんでは考えられないですよね。
私の家の近所にも「ほっともっと」さんがあるのですが、もしも同じシステムを導入したら、売り上げは倍増するのではないでしょうか?
もちろん、お弁当だけじゃなくて、他の商品もおいたり、システム自体を変えないと難しいんですけどね。
その裏にあるのは、既存の考え方に縛られない、柔軟性のある考え方です。
そして、地域創生です。
これは、独自でビジネススクールをやられていることからわかりますよね。
本来は、こういう起業を促す運動は、青年会議所とか、役場の様な所でやった方がいいと思うんですよね。だけども、そういう所って、本気になってやってくれる人がいないのが事実だと思います。
そういう所に目を付けて、若い人たちを育てていこうというのが、小川明彦社長なんです。
だって、もしかしたら、自分を脅かすような人が現れるかもしれませんよね。
そんな自分のことよりも、地域の事を考えていることが凄いことだと思います。
こういった柔軟性のある思考は、小さいところにもたくさん現れていると思います。
社員のモチベーションとか、自発的な意見が出やすい環境とか。いろんなところに、その考え方が生きているので、初めはただの酒屋さんだったのが、全国に名前の知られるコンビニ、社長になったんだと思います。
ちなみに、2013年度のコンビニの全国ランクを書いておきます。◎ 1店舗当たりの平均日販
- セブンイレブン・ジャパン 66万4千円
- 小田急商事 65万4千円
- 大津屋 61万5千円
◎ 1店舗当たりの平均来店客数
- セブンイレブン・ジャパン 1060人(8位)
- 小田急商事 1812人(2位)
- 大津屋 786人(13位)
- JRサービスネット岡山 1840人(1位)
◎ 平均客単価
- ハセガワストア 884円
- 大津屋 782円
- セブンイレブン・ジャパン 626円
(小田急商事は、361円、JRサービスネット岡山は334円)
(ジャパンショップより引用)
これは、凄い数字ですよね。
天下のセブンイレブンと同等に戦っています。というよりは、客単価が高いということは、顧客満足度が高いので、上回っているのかもしれません。
ココに、小川明彦社長の柔軟性がなぜ高いのか、その理由が見えてきます。
その理由は、お客様の幸せに貢献しようとしている姿勢ではないでしょうか。
大津屋の事業領域(ドメイン)、経営ビジョンにそれが現れています。
事業領域は「豊かな食文化の提案と人間力の創造の支援をする事業」です。ビジョンは、大津屋さんのHPで確認してみてください。
簡単に言ってしまえば、小川明彦社長の考えている源には、お客様がいるっていうことです。
お金でもなく、会社でもなく、将来でもなく、お客様に提供するものにフォーカスしているのではないでしょうか。
それがあるので、柔軟性を発揮して、様々な形に変わったり、取り込むことができてきたのだと思います。
あなたが起業する場合でも、社内で出世する場合でも、柔軟性は大切です。心がけてください。
そこで、柔軟性を発揮する考え方をするための簡単な方法をお話しします。
その秘訣は、ちょっと引いて考えたり、俯瞰してみるんです。(俯瞰とは、鳥の目です)
仕事をしているあなたの後ろから、冷静にそれを見ているあなたを想像するんです。
例えば、あなたがある難問を抱えているとします。
PCの前で考えているあなた。
それをうしろから冷静に見ているあなたを想像してください。
冷静に見ている想像上のあなたは、何を思うのでしょうか?
まずは、「たいへんだな」「もっとはやくやれよ」「かなりせっぱつまっていそう」とかおもいますよね。
さらに、考えてください。この人の仕事がうまく行くには、他にどういうことができるのか、他の方法がないか?
意外に、冷静に考えてると答えが見つかることが多いんです。逆に、その仕事が必要ないんじゃないかな?と思う時があるので不思議です。
その1歩引いて考えるのが、柔軟性を持って考える秘訣の一つです。
まとめると、小川明彦社長の成功の秘訣は、心の柔軟性です。
心の柔軟性を高めるために必要なことは、鳥の目で1歩引いて考える事です。ためしてみてくださいね。
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コメント
冷静で的確な分析ありがとうございます。
80%は当たっていますよ。
分析をするにあたっての情報はどうのように集められたのだろう。
お店を見られずに書かれたのだとしたら、すごい人だなと。
柔軟性や判断力は麻雀で磨いています。さらに森昌子の歌で感性を磨いています。
コメントありがとうございます。
小川社長様の事は、多くのインタビュー記事などで読まさせて頂き、尊敬させて頂いています。
お読みいただき本当にありがとうございました。失礼な点がもしありましたら、お詫び申し上げます。
ありがとうございました。
大変参考になりました。やる気が沸いてきました。
ありがとうございます。
そう言っていただけると、うれしいです。