日本通運の渡邉健二社長が、『カンブリア宮殿』に出演されます。
渡邉健二社長は、日本通運の現場から生え抜きで社長になられた方です。運べないものがないと言われている日通の中で培われてきた成功法則は、「段取り八分」と呼ばれるものだと話されています。『カンブリア宮殿』では、その「段取り八分」の重要性や、日通としての挑戦を熱く語られるようです。渡邉健二社長の経歴と、段取り八分についてまとめてみました。
渡邉健二社長の経歴は?
まずは、渡邉健二社長の経歴を見ていきましょう。
渡邉健二社長の経歴は、
- 1949年1月2日生まれの67歳。
- 埼玉県出身。
- 1972年3月、中央大学法学部法律学科卒業
- 1972年4月、日本通運株式会社入社
- 1995年6月、労働部安全衛生グループ担当部長
- 1999年6月、大阪支店長
- 2002年6月、総務・労働部長
- 2004年6月、常務理事総務・労働部長
- 2005年5月、執行役員第9ブロック地域総括兼大阪支店長
- 2007年5月、取締役専務執行役員首都圏ブロック地域総括兼東京支店長
- 2009年5月、代表取締役副社長 副社長執行役員
- 2011年6月、代表取締役社長 社長執行役員
という経歴です。
バリバリの日通マンですね。
日本通運は元々は国営企業なんです。一般の企業とはちょっと違って、世襲制の社長交代ではなくて、社長としての能力が高い人が就任しているようです。もちろん、派閥とかもあるかもしれませんが・・・
なので、これからの日通がどのような施策や、業務内容を打ち出してくるのかとても楽しみです。
日通と言えば、「運べないものはない」とよく言われていますが、その根拠というか、考え方には、「段取り八分」という精神が徹底されていると話されています。
では、段取り八分とはどういう考え方でしょうか?
その前に、日通について少しだけ紹介します。
日本通運とは?
日本通運は、
- 1872年、陸運元会社として創業。江戸時代の伝馬、助郷、飛脚の代替新制度として大蔵省に認可される。
- 1875年、内国通運会社に改称。
- 1928年、国際通運株式会社として発足。
- 1937年、日本通運株式会社法に基づき、特殊会社として日本通運株式会社を設立。
- 1950年、日本通運株式会社法が廃止。民間企業として再出発。同時に上場。
2008年に、JPエクスプレスという会社を立ち上げて、「ペリカン便」という宅配便事業にも乗り出したんですが、2009年に「ゆうパック」に吸収されてしまい、宅配事業からは撤退しています。
なので、一般家庭や、中小企業の物流や宅配とは、あまりかかわっていないような気がします。
私も、以前、物流関連にいたのですが、日本通運は弱かったような気がします。強いのは、佐川、西濃、近鉄とかでしたね。
ただ、日本通運が強いのは、いわゆるゲテ物配送とか、世界各地への物流、3PL(サード・パーティー・ロジスティックス)などで、群を抜いてトップを独走しています。引越し事業では、下からの追い上げは厳しいのですが、依然としてトップ企業です。
簡単に言うと、個人宅や、10個や20個の細かい物流は西濃、佐川、近鉄などに任しておいて、もっとおおきな物流、世界をまたにかけるようなグローバルな物流に的を絞って業務展開をしているような気がします。
現在の経済状況を見ていると、その選択はとても賢かったような気がします。
というのは、細かい物流は明らかに減ってきています。増えているのは、アマゾンに代表される本当に細かい宅配と、3PLに代表される、倉庫事業での物流です。
チョットだけ説明すると、物流は、小中大に分けられます。
小は宅配便、中は企業間の20個とか30個の物流、大は倉庫全体。
まずは、小の宅配便。アマゾンが増えているのは誰もが知っていますよね。メルカリのような事業形態も増えてきています。佐川がアマゾンから撤退して、ヤマト便がメインになりました。が、かなり労働環境が悪くなっているようです。
中の企業間は、経済状況の悪化に伴って物流の個数を減らそうと努力されている企業が多い現状です。
大の倉庫全体。
ホームセンターやショッピングセンターに人は集まっていて、売り上げは伸びていっています。物流も。そういった大規模商店は、独自の倉庫、物流をつくって経費を浮かそうとしています。それが、3PLです。物流や倉庫業務を別会社に委託してるんです。そういう所は、独自の物流システムを持っていますので、佐川、西濃などの路線便などには回ってこないんです。
ということで、全体の物流数が少なくなってきている「中の企業間の物流」に多くの運送会社が殺到しているんです。
でも、日本通運は、小の宅配便を切り捨てて、中の企業間の物流はサブ的な扱いで、大の3PLや、グローバルな物流や、どこもできないような物流をメインにしてるんです。
これは、ゼッタイに伸びていきますよね。
「カンブリア宮殿」でも流されますが、あんなものを運べる企業は他にはないですからね。まるっきりのオンリーワン企業です。
では、そこで大事にしている「段取り八分」とはどういった考え方でしょうか?
段取り八分とは?
段取り八分とは、段取り、つまり計画を8分という短い時間でやった方が良い!ということではありません。^^
段取りとは、広辞苑によると、①芝居などで、筋の運びや組み立て。②事の順序・方法を定めること。③心構えをすること。工夫すること。と書かれています。
昔の大工さんたちの言葉で、神社などの階段を作る時に、長年の勘で階段の段をとったことにちなむそうです。
段の取り方が悪くて登りにくくなってしまったら、「段取りが悪い」と言われたそうです。
そして、八分ですが、80%の事です。野球の「割・分・厘」とはちょっと違います。
つまり、仕事の計画、順番を80%考えてから仕事をすれば、間違いはないということです。
仕事を進めていくうえで、想定できる問題や手順などを、冷静な状況で、あらかじめ考えておく事が「段取り八分」というものです。
では、「段取り八分」をするためのプロセス、考え方は何かないのでしょうか?
段取り八分をするためのプロセス
段取り八分をするためのプロセスは、
- 目的と目標を決める
- 小目標を決める
- 情報収集をする
- 優先順位を決める
- マニュアル化する
- 関わる人全員で目標、ビジョン、マニュアルを確認する
- 個別にマニュアルを作ってもらう
- 全体をみながら、随時方向転換する
という感じですね。
では、一つずつ見ていきましょう。
1 目的と目標を決める
まずは、仕事の目的と目標を決めます。
仕事の目的は、上からの命令だったり、あなたの立ち上げたプロジェクトの目的です。
仕事のゴールですね。それを達成したら仕事が完了するということです。
例えば、
- 展示会に来てもらった人に満足してもらって、売り上げをあげる
- 物流にかかわる経費を下げて利益を上げる
- 売上を上げる
などです。
何のためにこの仕事をしているのかをはっきりさせることが大事です。
目標は、目的達成のための具体的な手段です。
上の例で言えば、展示会の成功、物流経費を下げる、売り上げをあげる手段の開発などですね。
2 小目標を決める
目標を小分けにしていきます。
まずは・・・次に・・・そして・・・さらに・・・
みたいな感じですね。
いきなり目標は達成できないですから、段階を踏んでいくことが大事です。
例えば、展示会の開催では、
- 開催日の決定
- コンテンツの決定
- チーム編成
- コンテンツ作成
など、細かく分けていきます。
物流経費の削減では
- 現状の調査
- 他社の調査
- 物流の問題点の調査
などです。
小目標を順次クリアしていけば、目標達成になるような小目標の設定することが大事です。
3 情報収集
ある程度の小目標、道のりが設定出来たら、情報収集を始めます。
これは、想像力が必要です。
まずは、なにもイレギュラーなことが起きなくてうまく行く方法を考えます。
次に、それぞれのポイントでの注意点、起こりうる問題をすべて考えて、答えも用意します。
日本通産の物流で言えば、運んで行く道をすべて検証するとか、仏像の運搬時にはどこを持てばいいのかなどを想像して、検証していく訳です。
この部分で、どれだけのイレギュラーなことが起きるかを想像できるかが、成功への第一歩です。
4 優先順位を決める
ある程度、仕事の順番を決めながら優先順位を付けて行きます。
あることをしなければ絶対に前には進んではいけないとか、これは100%しっかり行わないと、プロジェクト自体が失敗してしまう、というような重大なことをチェックしていきます。
5 マニュアル化する
小目標を作って、情報収集して、優先順位をつけたらマニュアル化してください。
頭の中に思っていてもだめです。
言葉にして紙に書き出すことが一番大事なことです。
そうすることによって、頭の中の計画がますますはっきりしてきますし、おおくのひとが関わる場合にはなくてはならないものになります。
そして、何べんも読み返すことによってブラッシュアップします。
最終的に頭の中ではその仕事が成功して終了したイメージを持つまで、繰り返し読んで、直していきます。
そこまでできて、段取り八分です。
後の20%は実際にやるだけです。
やり始めた時にも、ちょっとした注意があります。
6 関わる人全員で目標、ビジョン、マニュアルを確認する
書いたマニュアルを全員で読みます。
そして、目的、目標、手順をみんなで確認します。大勢で仕事をするときに、これをしないとぜったいにうまくは行きません。リーダーだけが仕事の内容を知っていても、だめなんですよね。
全員が仕事の流れを知った上で、リーダーの存在が必要なんです。
7 個別にマニュアルを作ってもらう
多くの人が関わる仕事の場合です。
全体の仕事の流れが判ったら、それぞれの人で、自分がやるべき仕事のマニュアルをつくってもらいます。
自分がやるべきことだけを抜粋して、書いてもらえればいいんです。
仕事が始まったら、それをもとに行動してもらいます。
8 全体をみながら、随時方向転換する
仕事が始まったら、流れとか、問題点をよく見ながら、随時方向転換しながら進めていくことが大事です。
マニュアルを作ったからと言って、マニュアルに縛られる必要はありません。
違ったかな?って思ったらすぐに方向転換することが必要です。
それがリーダーの役目ですね。
以上が段取り八分の作り方のプロセスです。
最後の方は、段取り八分の次の段階の「仕事2分」に入ってしまいましたが、トータルで考えることも必要です。
まとめます。
日本通運の渡邉健二社長が「カンブリア宮殿」に出演されて、日通の考え方である「段取り八分」を話されるので、「段取り八分」のプロセスを書いてみました。
番組を見てもらえればわかりますが、日通の物流の仕事の場合、本当に段取りを考えていかないと仕事がはかどりません。それどころか、多くの人に迷惑をかけてしまうんです。
仏像にしても、名画にしても、とんでもない大きさの羽根でも同じです。
物流段階で想定される問題点をしっかり洗い流してからではないと、行動には移れません。運送を始めてしまって、何かが足りないってわかった時に、用意してあればいいのですが、発注してから1週間もかかるものでしたら、その時点で、もうどうにもなりませんからね。
段取り八分は運送以外でも、多くの仕事で大事なことです。
段取りをしないで仕事をするのは、地図を持たないで航海にでるのと同じくらいにコワい事です。
ぜひ、段取りをしっかりしてから仕事に臨みましょう。
段取りのプロセスをもう一度載せておきます。
- 目的と目標を決める
- 小目標を決める
- 情報収集をする
- 優先順位を決める
- マニュアル化する
- 関わる人全員で目標、ビジョン、マニュアルを確認する
- 個別にマニュアルを作ってもらう
- 全体をみながら、随時方向転換する
目的を決めて情報収集して頭の中で、仕事の段取りを決めてもダメです。
しっかり紙に書くことが大事です。紙に書くことによって忘れていたもの、抜けていたものが判ることが多いんです。
ひとりの仕事、多人数の仕事に関わらず、かならず段取り八分を意識して、マニュアルを書いてから進めていってはいかがでしょうか?
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
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