こんにちは。
あなたは、嫌なことやストレスを感じるときに、それらをノートに書き出すことで気持ちがラクになると聞いたことありませんか?
実は、このような行為は逆効果になることがあるんです。
なぜなら、ネガティブな思考や感情を書き出すことで、それらに焦点を当てることになり、結果としてマイナスの感情がさらに強化されるからです。
そこで、まずは、なぜ嫌なことをノートに書くと逆効果になるのか?心理学的な根拠について詳しく紹介した後に、どうすれば嫌なことを忘れられるのかご紹介します。
この記事でわかること
- 嫌なことをノートに書き出すことが逆効果になり得る理由
- エクスプレッシブライティングが悪影響を与える人
- ポジティブな内容を記録する「3行ポジティブ日記」がおすすめ
- 人間は何もしなければ忘れていく
嫌なことをノートに書き出すと逆効果の理由
嫌なことを書き出す手法エクスプレッシング・ライティングとは?
嫌なことをノートに書き出す手法は「エクスプレッシブ・ライティング(筆記開示法)」と呼ばれるもので、アメリカの社会心理学者であるジェームズ・ペネベーガー氏らが1980年代に開発したものです。
メンタリストのDaiGo氏も推奨している手法です。
やり方は、
- 何を書いても良い
- 人には見せない
- 書けなくなったら終了
書く内容はストレスを感じたことや言葉などで、それらを書くことでストレスが軽減されるというものです。
ここで大切なことは、嫌なことは繰り返し何度も書かないということです。そして、ある嫌なことについてすべてを書いた後に、すべて忘れてしまうことです。
つまり、おなじ嫌なことを、今日も書いて、明日も書いて、明後日も書いて・・・というのは逆に嫌な気持ちを強化してしまうので、絶対にそれはやってはいけないんです。
また、ポジティブな人やあまり気にしない人は、嫌なことを書いてもすぐに忘れてしまいますが、ネガティブな人やくよくよしがちな人は、1回でも文字にしてしまうと、それが心に染み付いてしまう結果になりがちです。
なので、基本的に、嫌なことは書かないようにしたほうがいいとされています。
もしも、なにか悩んでいたりなにかの問題を解決したいときには、日記とかノートではなくて、マインドマップツールを使って解決していくことをおすすめします。
単純にストレスを無くしたいとか、自己肯定感を高めたいと思ったら、エクスプレッシング・ライティングはやらないほうがいいです。
嫌なことをノートに書くと逆効果の心理学的根拠
嫌なことを書いてしまうと、その思いが強化されてしまうのには、心理学的なエビデンスもあります。
心理学には、「カラーバス効果」という考え方があります。
カラーバス効果とは、ある特定のものを意識し始めると関連情報が自然と目に留まりやすくなる心理効果です。
たとえば、そろそろ車を買い替えたいと思ってある車を気にしだすと、いたるところにおなじ車が走ってるのに気がつくといったことです。
逆に言えば、本来見えてるものに対して、意識しなければ見えないのとおなじになってるわけです。
この理論によれば、私たちの注意や焦点が向いていることが、私たちの感情や行動に大きな影響を与えるとされます。
たとえば、嫌なことやストレスの原因をノートに書き出す行為は、そのネガティブな要素に対する注意を増大させることになります。
その結果、不快な感情がさらに強くなり、ストレスが増大する可能性があるのです。
また、私たちの脳は、基本的にどんどん忘れていくものなんです。有名なエビングハウスの忘却曲線というものがあります。
縦軸は覚えている割合で、横軸は経過時間です。
覚えた瞬間は100%ですが、20分後には42%忘れています。何もしなければ1ヶ月後には8割は忘れてしまうものなんです。覚えるには定期的に復習することが必要になります。
なので、とても悲しいことがあったとしても、わすれることでそれを乗り越えて生きていけるわけです。
嫌なことをノートに書き出すというのは、この図の中の復習に当たります。
嫌なことを書き出すことによって、それを脳に強く刻み込むことになり、ネガティブな感情や思い出を長く引きずる原因になるわけです。
それがひどくなるとトラウマということになってしまいます。
また、ネガティブな感情を書き出す行為は、「反芻(はんすう)思考」にあたります。
反すう思考とは、同じネガティブな考えや問題を何度も何度も繰り返し思い返すことです。
これにより、心の負担が増し、うつ病や不安障害などの心の健康問題につながるリスクが高まります。
このように、嫌なことをノートに書き出す行為は、一見するとストレス解消に役立つように思えますが、心理学的にはその逆効果をもたらす可能性があるのです。
では、ストレスやネガティブな感情をどのように扱えば良いのでしょうか?次のセクションでは、より効果的な方法を探っていきます。
まずは嫌なことを文章にしないこと
ネガティブな感情を持っていたり、ストレスやトラウマを感じてるのでしたら、あえてその事に触れないことです。
そのためにできることは、文章にしないことです。
一旦文章にしてしまえば、何度も目に触れますし、そのことを書いたという記憶が残ってしまいます。
ネットには「ストレスを無くすために嫌なことを書き出そう」という記事が多いですが、鵜呑みにせずにやらないことです。
もしも嫌なことをどうしても書き出したいと思うのでしたら、方法は2つあります。
- マインドマップでプラスの記憶に書き換える
- 書いた紙を捨てる
ことです。
マインドマップで記憶を書き換える方法
マインドマップとは、あなたの心の中をすべて書き出す方法です。
パソコンでもできますし、手書きでもできます。こういった感じのものです。
x-mindというパソコンで使えるマインドマップツールは、無料で使えてとても使い勝手がいいのでおすすめです。
このツールを使ってどうやるかというと、単純に思ってることを書き出すだけです。
たとえば、大学生の時にフラレたのが嫌な思い出で、トラウマ的になってるとしたら、真ん中に「彼女にフラレて悲しかった」と書きます。
そして、その文章の中の感情の部分を消して、事実だけにします。
「彼女にフラレて悲しかった」の中の感情は「悲しかった」なので、「彼女にフラレた」と書き換えます。
次に、その事実が起きて良かったことをそのまわりに枝葉を伸ばして書いていきます。
- 免許が取れた
- 今の会社に入った
- デートがなくなったので貯金ができた
これをできる限りたくさん書いていきます。できたものをプリントアウトして壁などに貼っておけばOKです。
さらに感情も変えたいのでしたら、最悪の未来を想像してみましょう。
もしも彼女に降られずにそのまま進行していたら、どんな未来になったのかを考えるんです。その際には、最悪の未来を考えましょう。
たとえば、
- 結婚する
- 浮気される
- 離婚する
- 慰謝料を取られる
- お金がなくなる
といった感じです。なるべく最悪の未来を想像することで、記憶の感情は塗り替えられます。
嫌なことを書いた紙を捨てる方法
もうひとつは、嫌なことを書いた紙を捨てるということです。
これは1回限りの方法です。何回もやってはダメです。
ペンと紙を用意して、今思ってるネガティブなことを全部その紙に書き出します。とりあえず気が済んだら、それを細かくちぎってゴミ箱に捨てましょう。
もしくは、火を付けて燃やしてしまうことです。燃やす場合には、周囲にしっかり気を配ってやってください。
日記には嫌なことは書かない
落とし穴的なものに日記があります。
日記を毎日書いてる人がいますが、ついつい愚痴や悪口、非難、妬み、後悔などを書いてしまいがちです。
プラスの感情よりもマイナスの感情のほうが強いので、嫌なことは書きやすいからです。
書いたときはスカッとするでしょうが、徐々にねがてぃぶになっていってしまいます。
なので、日記を書いてると、嫌なことをついつい書いてしまいそうになりますが、我慢して書かないようにしましょう。
嫌なことを書く代わりに、ポジティブなことだけを書くようにしましょう。
ポジティブ日記の心理的効果
日記にポジティブなことを書くことは、多くの心理的な効果があります。
書くのは1日の終りがとてもいいです。寝る前に1日の良かったことを書き出して寝れば、精神的な健康や幸福感を高めるのに大きな役割を果たします。
決して大層なことを書かなくてもいいんです。
- ご飯が美味しかった
- お風呂に入れた
- テレビが面白かった
など、他愛もないことで、あなたにとって良かったことを書くだけでいいです。
日記を書きたいのでしたら、ポジティブなことしか書かないこと、これを守ってください。
また、ポジティブな3行日記を書くことで、自己肯定感をたかめたり、やる気を高めたり、モチベーションをアップさせることができます。
嫌なことをノートに書き出すと逆効果。心を整えるで心を整える方法
嫌なことではなく、不安を書き出すことは効果あり!
嫌なことを書くのはデメリットばかりですが、日々感じる不安、それを書き出すことには意外な効果があります。
不安を書き出すことは、心の中のもやもやを整理し、心を落ち着かせる効果があるんです。
具体的には、あなたが感じる不安や悩みを紙に書くことで、その感情が具体的な言葉として目に見える形になります。
すると、それまで心の中でぼんやりとしていた不安がはっきりとし、客観的に見ることができるようになるんですね。
そのおかげで、どうやればいいのか、なにをすればいいのか、対処の仕方や成功させる方法を見つけようとするエネルギーが沸き起こってきます。
嫌なことと不安なことの違いは、過去か未来かの違いです。
過去の出来事は変えることはできませんが、未来はこれから起きることですので、あらかじめ用意して対応することができるんです。
不安というのは、どうしたらいいのかわからないとか、何が起きるのかわからないといった漠然とした感覚です。
それを文章化することで、冷静に、論理的に考えることがデキるようになるんです。
大切なのは、不安を書き出した後に、その不安に対する具体的な解決策や、ポジティブな視点も考えることです。
ネガティブな感情を書き出すだことはおなじでも、書き出すことで、前向きな気持ちへと導くことができます。
ですので、不安や悩みが頭をよぎったときは、ぜひ紙に書き出してみてください。
そして、書き出した後はその不安にどう立ち向かうか、どう解決していくかを考える時間を持つことを忘れずに。あなたの心が少しずつでも楽になっていくはずです。
人についてノートに書くのはなぜ良くない?
あなたは、嫌いな人のことをノートに書き出してしまうこと、よくありませんか?
これも嫌なこととおなじで、その人に対して嫌な気持ちを増加させてしまいます。
実は、好きな人のことをノートに書いても、あまり良い結果は得られません。
なぜかというと、おなじように気持がどんどん増幅されて行って、好きとか愛してるといった感情のさらに上の執着といった負の感情になりがちだからです。
なので、人に関することではなくて、出来事にたいしてあなたが感じたポジティブな感情を書いていくことです。
嫌なことを書くアプリの落とし穴
最近では、メモアプリが流行っていて、いろいろなことがアプリに記録することがデキるようになっています。
日記アプリもありますが、基本的に日記は手書きのほうがいいです。
というのも、手で書いたほうが脳に信号として送られやすいし、記憶に残りやすいからです。
3行ポジティブ日記と同じようなものに、未来日記とか感謝日記などがありますが、手で書いたほうが効果が高いとされています。
ぜひ、お気にい入りのノートとペンを見つけて、あなた自身の手で書いていくことをおすすめします。
エクスプレッシブライティングは人を選ぶ
上でも説明しましたが、エクスプレッシブライティングは、アメリカで開発されたものです。
なので、あまり日本人には向いていないような感じです。
というのも、日本人は繊細でネガティブなことに対して気にしやすい傾向の人が多いからです。
基本的にエクスプレッシング・ライティングはポジティブな人が行うことで効果があるとされています。
ですから、ネットの情報を鵜呑みにせずに、嫌なことやネガティブなことは文章にしない方がいいとお話してきました。
でも、どうしてもやってみたいと思われましたら、ブレインダンプのやり方でやってみることをおすすめします。
ブレインダンプとは、頭の中をすべて書き出すという方法です。
色々なやり方がありますが、私のおすすめするのは、年代別に書き出すことです。
書き出すことは、
- 感動したこと
- 面白かったこと
- 楽しかったこと
- 熱中したこと
- 感激したこと
など、プラスの感情を持ってる出来事だけを書き出すことです。
マイナスの感情を持ってる出来事に対しても、その中でも良かったことを書き出します。
たとえば、かけっこでびりだったけど、あの子が応援してくれた!みたいな感じです。
このブレインダンプをすることで、不安やストレスをうけないどころか、あなたに向いてることや得意なことが徐々にわかってくることです。
言わば、短所には目をつぶって長所をどんどん伸ばしていくって感じです。
エクスプレッシング・ライティングなんかよりも、このブレインダンプをやってみることをおすすめします。
嫌なことノートの代替案
もし、あなたがこれまで「嫌なことノート」を使っていたとしたら、もうやめましょう。
そのノートは捨てるべきです。
「せっかく書いたのに、もったいない・・」
と思わないでください。そのノートがあるからネガティブになってるんです。言ってみれば、あなたの負の部分が詰まってるノートなんです。
ですから、そのノートを捨てるだけで、ネガティブからポジティブに変化していくはずです。
その代わりに、おすすめなのは、
- 3行ポジティブ日記
- 未来日記
- 感謝日記
になります。
3行ポジティブ日記の書き方
3行ポジティブ日記とは、文字通り、毎日3行だけポジティブなことを書く日記のことです。
簡単に始められて、毎日の小さな変化も実感しやすいのが特徴です。
3行ポジティブ日記とは、精神科医で作家の樺沢紫苑先生が自身の著書「アウトプット大全」で推奨している「ポジティブ思考」を鍛える方法です。
3行ポジティブ日記のルールは、
- 今日あったポジティブな出来事を3つ書く
- ネガティブな内容は書かない
- 寝る前の15分以内に書く
- 簡潔な内容の短文で3行、箇条書きで書く
- 量や質を気にせず毎日続ける
- 制限時間を決める
になります。
書く内容は、本当に他愛もないことでいいんです。たとえば、
- おいしいコーヒーが飲めた
- 好きな歌がラジオで流れた
- 子供が笑顔で話しかけてくれた
といった、日常のちょっとした幸せでいいんです。
これはやってみないことには、実感がわかないです。
夜寝る前の5分でいいですので、やってみてください。
未来日記の書き方
未来日記は作家の本田健先生が推奨してる日記になります。
書き方は、
- 最高の未来を想像して書く
- 思わずワクワクするような未来を書く
- あたかも出来てるように書く
- 紙に書く
感謝日記の書き方
3行ポジティブ日記とおなじようなものですが、こちらは、その日におきた感謝の出来事を書くものです。
書く内容は大げさに感謝するとかではなくて、ちょっとしたことでいいです。
- 駐車場からすぐに出られた、ありがとう
- レジが空いていた、ありがとう
- 一度も信号で止まらなかった、ありがとう
といった感じです。
ストレス軽減におすすめのポジティブ日記のテクニック
日々のストレスを感じているなら、ポジティブ日記を書くことをおすすめします。
このシンプルなテクニックが、あなたの心の重荷を軽くする手助けとなるでしょう。
ポジティブ日記を書くときのポイントは、自分の日常の中で起こった良いことや、感謝したいことを見つけて記録することです。
たとえば、あなたが楽しい時間を過ごしたこと、人から褒められたこと、小さな成功体験など、日々の中のポジティブな出来事を探してみましょう。
書くことで、あなたの心は徐々に明るくなり、ストレスが軽減されていきます。毎日の小さな幸せを認識することで、あなたの心は穏やかでポジティブな方向へと導かれるのです。
ポジティブ日記を書くことは、あなたの心を整えるための有効な方法の一つです。この日記を書く習慣を始めることで、あなたの毎日がより楽しく、そしてストレスフリーなものに変わるかもしれません。
まとめ:嫌なことをノートに書き出すと逆効果。3行ポジティブ日記で心を整える
この記事のポイントをまとめます。
- ネガティブな感情をノートに書き出すと、その感情がさらに強化される可能性がある
- 日記に嫌なことを書くと、その出来事に対する固執が生じやすい
- ポジティブな日記の記録は心理的に有益で、ストレスや不安を軽減する効果がある
- 嫌なことを紙に書いて捨てる方法には限界があり、根本的な解決には至らないことが多い
- ネガティブな記述が不安やストレスを増幅させることがある
- ポジティブな記録は心の整理に役立ち、前向きな気持ちを育てる
- 不安を書き出すことには一時的な効果はあるが、長期的な解決には至らない
- 嫌いな人や出来事をノートに書くことは、負の感情を持続させる
- 嫌なことノートをアプリで管理する場合も、ネガティブな影響に注意が必要
- エクスプレッシブライティングは人によっては逆効果になることがある
- 日記で嫌なことを書かない方が良い理由は、ポジティブな側面を強調するため
- 嫌なことノートの書き方に代わる方法として、3行ポジティブ日記が有効
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