40代になると、途端に体力が落ちたのに気が付きます。走れなくなったり、階段を上がるのに苦労したり・・・
まあ、毎日の積み重ねがないのが一番の理由ですが、簡単に、効果的に、40代からの体力づくりをどうしていけばいいのか提案します。
キーワードは「インターバル速歩」と「牛乳」です。
「インターバル速歩」は信州大学の能勢博特任教授が開発されたもので、11月2日の『あさイチ』でもご説明されました。能勢博特任教授は、インターバル速歩の権威で、今回は、メリハリ歩きとして教えてくれます。この「インターバル速歩」と牛乳をミックスさせれば、40代からでも楽に無理なく体力をつくっていけるはずです。
そこで、インターバル速歩のやり方と能勢博特任教授の経歴などについて紹介します。
【追記】2023年9月13日の『あさイチ』にも出演されました。
※ 「インターバル速歩」はNPO法人熟年体育大学リサーチセンター様の登録商標です。
運動(インターバル速歩)と牛乳で強い身体を創る方法
まず、理屈は置いといて、熱中症に打ち勝つ強い身体を創る方法をまとめます。やることはカンタンです。
- 1週間に4回
- 30分のややきつい運動
- 運動後にコップ1杯の牛乳
これだけです。
ややきつめの運動
ややきつめの運動とは、全力の70%くらいの運動です。70%の運動量と言うと、5分続けると汗が出始める感じ、または、「息が上がる」ではなくて、「息がはずむ」。それを、30分間続けるといいとはなされていました。なるべくなら、1週間に4回、30分間が一番効果があるようです。
これ、よく考えてみると、結構きついですよね。きつい運動を30分間、週4回って。だいたい、1週間で嫌になって辞めてしまう人が多いです。
そこで、能勢博特任教授は、「インターバル速歩(メリハリ歩き)」を考え出されました。
関連:持久走が苦手な人の特徴
インターバル速歩(メリハリ歩き)のやり方
インターバル速歩(メリハリ歩き)のやり方は、
- 3分間、「ややきつい」と感じるくらいの速さ(最大体力の70%)で歩く
- 次の3分間、ゆっくり歩く
- これを1日5セット(つまり合計30分)、週に速歩合計50分
速く歩く時の歩き方は、
- 背筋を伸ばし、姿勢をは25m先
- ふだんより3~5cm大股で
- 腕を大きく振る
これだと、あまり負担にならずに続けられそうじゃないですか?わたしもやってみましたが、苦しい時間が30分続くわけでなくて、3分ずつの繰り返しですから、けっこう精神的に楽でした。
しかも、トータルでOKで、やりすぎてもいけないということです。ややきつい運動(速歩)をトータルで1週間50分あれば、何回に分けても大丈夫ということです。例えば、朝2セット、昼2セット、夜1セットを4日間でも良いですし、朝、昼、夜1セットずつを毎日でも効果は一緒だと話されています。逆に、土日にまとめても一緒の効果があるそうです。
「ややきつい運動3分+ゆっくり3分」の組み合わせが良いんですね。
さらに、同じ70%の強さで30分間続けた時よりも、インターバルを入れた方が、筋肉量、循環機能の効果は高いと話されています。やみくもに一生懸命やるよりも、確認しながらやった方が、筋肉も自然についてくるということの様です。ビジネスと一緒です。
牛乳
牛乳は、何でも良いので、お好きなものをどうぞ。牛乳が苦手でしたら、明治の「おいしい牛乳」が飲みやすいですから、お勧めです。運動した後の30分以内に、コップ1杯のむということです。この時間も、大事です。
能勢博特任教授の経歴
まずは、能勢博特任教授の経歴を見ていきましょう。
能勢博特任教授は、
- 1952年生まれの68歳
- 京都府立医科大学医学部卒業
- 1979~88年、京都府立医科大学助手
- 1985~88年、米国イエール大学医学部博士研究員
- 1988~95年、京都府立医科大学助教授
- 現在は、信州大学学術院医学系特任教授
趣味は登山だとはなされています。画期的な「インターバル速歩」を提唱して、ウォーキング界の常識を覆しました。ご自身の趣味の登山から、思いついたのかもしれません。
『世界一受けたい授業』、『あさイチ』など、多くの情報番組でも紹介されています。
40代からの体力作りは血液に注目
では、なぜ、運動と牛乳が体力づくりに良いと言われてるのでしょうか?
中学や高校で習ったと思いますが、その答えは、アスリートの体にあります。
マラソン選手、プロ野球選手、Jリーガーなどが、試合中に熱中症になったって言うのは、あまり聞きませんよね。逆に、何もしていないお年寄りが、家の中で倒れることはよくあることです。
この違いは、何だと思いますか?
答えは・・・血液です。
自動車に例えればよくわかるのですが、熱中症は、エンジンのオーバーヒートです。エンジンのオーバーヒートとは、エンジンを冷ますモノが足りなくて、異常に高温になる現象です。車なら、エンジンを冷ますモノは、冷却水です。人間の体を冷ますモノは、血液なんです。
体が熱くなると、体の中の水分が血管の中に取り込まれて、体の表面近くまで運ばれます。そして、汗になって、蒸発すると同時に、体から熱を奪ってくれて、体温が下がる訳です。当然、血液の量が多ければ、その中に蓄えられている水分が多いので、多少、汗をかいても、大丈夫なんです。
ですが、お年寄りみたいに、血液量が少ない人は、ちょっと水分が抜けただけで、そのシステムがうまく回らなくて、体から熱を出すことができなくなってしまう訳です。つまり、オーバーヒート、熱中症ですね。
なので、トップアスリートたちの血液量を調べてみると、普通の人より多いと言う結果がでています。もちろん、酸素を多くとりこめるとか、他にも理由はありますが。ただ、水はこまめにとらないと脱水症状になってしまって熱中症のような感じになってしまいます。マラソンやサッカーの試合を見てもらえればわかりますが、選手は頻繁に給水しています。水を沢山飲むのが大事だというのは、この理由からですね。
なので、熱中症に強い体とは、血液量が多い体ということです。
血液量を増やすには?
血液は、赤血球、白血球、血小板などと、血漿(けっしょう)成分(液体)からできています。血液量を増やすというのは、この中の液体成分の血漿を増やすことです。
血漿は、
- 水 91%
- タンパク質 7%
- 脂質
- 糖質
- 無機塩類(ナトリウムとか、カリウムなど)
この割合を保持しているのは、タンパク質の半分以上を占める血清アルブミンと言うたんぱく質です。血清アルブミンが、体の細胞から水を取り出したり、戻したりして、この比率を守ってます。なので、血液量を増やすためには、この血清アルブミンをまず増やして、タンパク質量を増やす必要があります。すると、自然に血液中の水分が増えるわけです。
この血清アルブミンを増やすために、必要なものが、牛乳なんです。牛乳の中に含まれるアルブミンと言うものが、血清アルブミンの材料になるということです。
ただ、いつでもいいかと言うと、そうではありません。血清アルブミンは、スポーツなどの激しい運動をした後に、肝臓で作られます。スポーツして汗をかくと、「あ、これまずい」と脳が判断して、作らせるんです。その時に、材料がないと、当然、作られる量も少なくなります。
さらには、運動をあまりしなくなると、肝臓でつくられませんから、血清アルブミンの量が減っていきます。血液中の血清アルブミンなどのたんぱく質の量が減っていくと、水分も同じ率で減っていきます。血液量がへっていくということです。それが、おじいちゃん、おばあちゃん達の体の中に起きていることです。
実は、このことは高校の生物の教科書にもしっかりと書かれています。学生の頃はバカにしてあまり勉強しなかったのですが、40代になってからよく読んでみると、高校の教科書にはとても面白いことがたくさん書かれています。お暇な時にご覧になってみてはどうでしょうか。
40代からの体力作りはインターバル速歩と牛乳
熱中症の暑さに強い体とは、体の中から熱を逃がしやすい体だということです。体の中から熱を逃がしてくれるのが、汗。汗をつくっているのが、血液です。つまり、体の中の熱を逃がすためには、血液の量を増やさなくてはなりません。
血液の量を増やすためには、
- ややきつめの運動をする
- 汗をかく
- 肝臓で血清アルブミンを作らせる
- 材料の牛乳を飲む
- 血清アルブミンが増える
- 血液の中の水分量が増える
- 熱中症に強い体になる
という流れです。
この中の、1番と4番の部分を、能勢博特任教授が研究されて、インターバル速歩を提唱されていて多くの人に伝えているんです。これほど簡単な理屈を教えてもらうと、がぜん、やる気も出てきますよね。血液量が増えることによって、他の効果も期待できます。
もちろん、全身に血液を送るポンプの役目のふくらはぎの筋肉量も増えます。その効果も、あります。
インターバル速歩と牛乳、一度、試してみることをおすすめします。
以上、『あさイチ』に出られた能勢博特任教授と、熱中症に強い体の作り方についての記事でした。
※ 「インターバル速歩」はNPO法人熟年体育大学リサーチセンター様の登録商標です。
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