上司が敬語で話してくるんですけど、どうなんでしょうか?
これは、多くの方が日常的に感じている疑問です。
新入社員に対しても、「さん」づけで呼び、「~してくれませんか」「やっておいてください」時計語を使う上司がいます。
それまでの学生生活では、年上には敬語、年下にはタメ口といった環境に慣れてる若い人にはかなり違和感があり、「さびしい」「距離を置かれてる」と、つい思ってしまうようです。
でも、実は社会人にとってはとても当たり前のことで、当然のことなんです。
そこで、部下に敬語を使う上司の心理と、上司が敬語で話すべき理由について、逆に部下に対してタメ口を使う上司の弊害について詳しく紹介します。
最期まで読んでもらえれば、上司であるあなたにも、明日からすぐに、敬語を使う必要性をわかってもらえるはずです。
この記事でわかること
- 上司は部下に対して敬語を使うべき
- 敬語を使うことの職場内での重要性とその影響
- 敬語を使わない上司の行動が職場に及ぼす弊害
- 上司と部下の適切な距離感の重要性
上司が敬語で話してくれる心理とたった一つの理由
部下に敬語を使うのは職場のマナー
職場におけるコミュニケーションは、円滑な業務遂行に欠かせない要素です。
その中で、上司が部下に対して敬語を使うことは、単なる形式ではなく、尊敬と礼儀の基本を示す行動と言えます。
敬語とは、文化庁のHPでは、
敬意とは,尊敬の気持ちだけではなく,その人の立場や存在を認めようとすることも含まれるので,相手に対して礼を失することなく,自分自身の社会常識を表すためにも,使う場合があります(引用:文化庁)
と書かれています。
簡単にすると、敬語とは上下関係のことばではなくて、相手を敬い認める言葉だということです。
そこには上司とか部下とか、年下、年上、先輩、後輩など関係なく、尊敬する相手に使う言葉だという意識があるわけです。
なので、多くの著名人たちも、上司と部下の関係でも、敬語を使うことで相互の尊重を保ち、職場環境の向上に寄与するとはなされています。
今話題になってるひろゆき氏も、
どんな人にも「敬語」と「さん付け」を
ちなみに、僕は、どんな人に対しても「敬語」を使うようにしています。初対面ならなおさらです。
相手が新入社員だろうと、学生だろうと、必ず「さん付け」で呼び、敬語で話します。だって、その中から、将来ものすごく偉くなる人だって現れるでしょうから。大きな仕事をくれる人もいるかもしれません。
だから、平等に扱うようにしています。「この人、仕事できるのかな?」と思うようなときも同じです。人はある時に急成長するものなので、予測することができないんですよね。(引用:DIAMOND online)
と話されています。
『相棒』や『VIVANT』などのドラマや映画などでも、立派な上司は部下に対して敬語で接していますし、逆に悪役やレベルの低い上司はタメ口で話してるのがよく分かるはずです。
また、上司が敬語を用いることで、職場の公正さと尊厳を保つことにもつながります。
なので、敬語を使うことは、相手に対するリスペクトの表れであり、プロフェッショナルな態度の一部です。
部下にとっても、自分が尊重されていると感じ、職場の信頼関係が深まります。一方で、ぞんざいな口調や呼び捨てなどは恐怖や支配的だと受け取られてしまいます。
もちろん、人によって敬語を使い分けるのは、よくありません。
上司による敬語の使用は、職場のマナーを高めるだけでなく、部下との関係構築、職場の雰囲気改善、チームワークの促進にも寄与します。
敬語は単なる言葉遣い以上の意味を持ち、職場におけるコミュニケーションの質を高める重要なツールです。
コミュニケーションの円滑化と職場の秩序
職場での円滑なコミュニケーションは、効率的な仕事の進行と良好な職場環境の両立に不可欠です。
上司が敬語を使用することは、このコミュニケーションの円滑化に大きく貢献します。
敬語は、言葉の選択によって部下に対する敬意を示し、意思疎通を促進する効果があります。
また、上司が敬語を用いることで、職場内の秩序と尊厳が保たれ、互いにリスペクトを持った環境が形成されます。
社内のコミュニケーションを妨げる要因の一つとして、上下関係があります。
日本の会社は昔からの監修として、上司と部下は上下関係だと思われがちですが、実際には上下関係ではないです。
たんなる仕事上の役割の違いです。
デキるから、偉いから上司になった・・・なんていうのは、とんだカン違いです。
社会人になったら、誰もが一人前のプロなんです。スキルの違いや経験の違いはありますが、プロの集まりが会社なので、お互いにプロとして敬語を使わないといけないわけです。
多くの上司や多くの部下はそういうことには気づいておらず、いつまでも裸の王様だったり、学生気分のままだったりするので、成熟した大人の会社とは言えないわけです。
上司に限らず、だれもが、社内では敬語を使うことで、プロの会社になることができ、売上も必ず上がっていきます。
部下のモチベーションと敬語の関係性
部下のモチベーションは、職場の生産性と直結しており、これを高めることは組織にとって重要な課題です。
上司による敬語の使用は、あたりまえですが、部下のモチベーションに大きく影響します。
上司から敬語で話しかけられることで、部下は自分が尊重され、価値ある存在として認識されていると感じるからです。
これにより、仕事に対する意欲や責任感が高まり、積極的に業務に取り組む姿勢が促されます。
敬語を使うことは、部下に対する信頼の表れでもあります。
この信頼関係が築かれると、部下は安心して自分の意見を述べたり、新しいアイデアを提案したりすることができるようになります。
これは、創造性やイノベーションの源泉となり得ます。
一方で、上司からのタメ口が常態化すると、どうしても甘えの気持ちが生じて、モチベーションの低下につながる可能性があります。
敬語を適切に使うことで、部下は自身の職務に対してより一層の自信を持つようになり、これがモチベーションの向上に繋がります。
上司が敬語を通して示すリスペクトは、部下の自尊心を高め、結果として全体の生産性向上に寄与するのです。
部下に敬語を使う上司が職場の雰囲気に与える影響
上司による敬語の使用は、職場の雰囲気に大きな影響を与えます。
敬語を用いることにより、尊重と礼儀の文化が職場全体に浸透し、より落ち着いた、プロフェッショナルな環境が生まれます。
このような環境は、従業員が互いに敬意を持って接することを促し、職場内のストレスや不快感を軽減します。
敬語を使う上司は、職場の模範となり、その言葉遣いが部下や同僚にポジティブな影響を与えます。
これにより、礼儀正しく、思いやりのあるコミュニケーションが自然と行われるようになり、職場の雰囲気はより協力的で建設的なものに変化します。
特に、上司と部下間のコミュニケーションにおいて、敬語は両者間の適切な距離感を保ち、不要な摩擦を避けるのに役立ちます。
一方で、上司が敬語を使わない場合、それが部下に対するリスペクトの欠如と受け取られることがあります。
これは職場の雰囲気を悪化させ、部下のモチベーション低下や不満の原因となり得ます。
したがって、上司が敬語を適切に使用することは、職場の和やかな雰囲気を作り出し、従業員間の信頼関係を強化する重要な要素となります。
敬語の適切な使用は、単に言葉遣いの問題にとどまらず、職場文化の形成に寄与すると言えます。
上司が敬語を用いることで、職場は尊敬と信頼に基づく環境となり、従業員はより積極的に貢献する姿勢を示すようになるのです。
上司が敬語で話してくれるメリットとデメリット
部下に敬語を使う上司の心理と動機
上司が部下に対して敬語を使う背景には、さまざまな心理的動機が存在します。
最も一般的な理由は、部下に対する尊重と敬意の表現です。
上司が敬語を使用することで、部下は自分が価値ある一員として認識されていると感じ、職場での自己存在価値を感じることができます。
また、上司自身が職場の礼儀やプロフェッショナリズムを重んじる人物である場合、これを部下にも反映させようと敬語を用いることがあります。
上司は、敬語を通じて部下に対する一定の距離を保ちつつ、尊敬と信頼のバランスを取ります。これにより、上司と部下の間に健全な職務上の関係が築かれるのです。
デキる上司は、その事をとても良く理解して、社内ではかならず敬語を使うことを心がけています。
上司が部下にタメ口を使う際の弊害と対策
上司による部下へのタメ口は、職場でのコミュニケーションにおいて、時に弊害をもたらすことがあります。
タメ口は親しみやフランクな関係を示す一方で、尊重や敬意の欠如と受け取られる場合があります。これにより、部下は不快感を感じたり、上司に対する尊敬心が薄れたりする可能性があります。
また、タメ口が原因で上司との仕事の境目が曖昧になり、業務上の指示や要求が適切に伝わらないこともあります。
対策としては、上司が部下とのコミュニケーションにおいて適切な言葉遣いを意識することが重要です。
特に新人や若手の部下には、敬語を使用して彼らの立場や努力を尊重することが望ましいです。
また、タメ口を使う際は、宴会とか、慰安旅行、プライベートなどに限るべきです。
敬語で話す上司が寂しさや不自然さを感じさせる理由
一方で、上司が常に敬語で話すことによって、部下が寂しさや不自然さを感じることもあります。
これは、特に親しみや心の距離を感じる場面で敬語が用いられると、部下は自分が上司から心理的な距離を置かれていると感じることが原因です。
部下が上司との親密な関係を望んでいる場合、敬語のみのコミュニケーションは、感情的な隔たりを生むことがあります。
それは学生時代やサークル関連の人間関係の記憶に関係しています。昭和の時代の典型的な人間付き合いともいえます。
たとえば、悪代官と庄屋、悪徳政治家と会社社長、ボスと右腕、みたいな関係です。「東京リベンジャーズ」「今日からオレは」などにもよく現れています。
上司が敬語を使うこと自体は、職場の礼儀として適切ですが、部下との関係性や個々の感情を考慮し、場面に応じて言葉遣いを柔軟に変えることが求められます。
例えば、非公式な場や親密な話題に触れる際には、少しカジュアルな言葉遣いを取り入れることで、部下との心の距離を縮めることが可能です。
また、部下との1対1の会話では、敬語を使いつつも温かみのある言葉遣いを心掛けることで、部下の感じる寂しさや不自然さを和らげることができます。
部下の感情を理解し、適切に対応することで、上司と部下との間に信頼と理解に基づく健全な関係が築かれます。これは、職場全体の雰囲気を良くするだけでなく、チームワークの向上にも繋がる重要な要素です。
上司のタメ口使用とパワハラの線引き
上司によるタメ口の使用は、場合によってはパワーハラスメント(パワハラ)の一形態となることがあります。
タメ口自体が即座にパワハラとは限りませんが、その言葉遣いが部下に対して不快感や圧迫感を与える場合、パワハラと見なされる可能性があります。
特に、上司が権力や立場を背景に、無礼や威圧的なタメ口を使う場合、これは職場でのハラスメントに該当する可能性が高いです。
パワハラを防ぐためには、上司が自身の言葉遣いに注意を払うことが重要です。
タメ口を使う際には、その言葉が部下にどのような影響を与えるかを考慮し、部下の感情や立場を尊重する姿勢が必要です。
また、部下が不快に感じる言葉遣いや態度を避け、公平かつ尊重のあるコミュニケーションを心がけることが求められます。
関連:年上の部下が偉そう?
上司と部下の距離感調整:敬語の使い分けはアウト
上司と部下の間の適切な距離感を保つためには、敬語の使い分けをするひとがいます。
この人とは固く、この人とはフランクに、このひととはざっくばらんに・・・などという感じです。
これは辞めたほうがいいです。
あなたが相手を好きなのか、嫌いなのかに関係なく、一定した敬語を使うべきです。
そして敬語を使わないときとか、ちょっと砕けた言葉を使いたければ、プライベートに限ることです。
プライベートだと、好きな部下しかいないことがありますので、多少はフランクな会話でも大丈夫です。
ただし、何れにせよ親友じゃない限り、タメ口は使わないほうがいいです。
ひろゆき氏も言ってるように、全ての相手に対してリスペクトするべきだからです。
敬語を使わない上司の影響と改善策
敬語を使わない上司は、職場において様々な負の影響を及ぼす可能性があります。
敬語の不使用は、部下に対する敬意の欠如と受け取られ、職場内での尊重と信頼の低下を招きかねません。
また、上司による敬語の欠如は、職場のプロフェッショナリズムを損ない、全体のモラルに悪影響を及ぼす可能性もあります。
このような状況は、部下のモチベーション低下や不満の蓄積、そして最終的には高い離職率につながることも考えられます。
改善策としては、まず上司自身が自らの言葉遣いに気をつけ、敬語の重要性を理解することが必要です。
そのうえで、上司なり、社長なりに提案書を出すことです。
はじめはほとんどの人は嫌がるはずですが、半年もすればみんな馴染んで違和感を感じなくなるはずです。
そのためには、社長を説得することがとても大切になります。説得には売上が上がるという理由一点張りでいきましょう。
社長を含め、「そんな小さいこと」という人がかならず現れるはずですが、言葉とはとても大切なことで、言葉が変われば会社も変わることを納得することです。
たとえば、朝から社長が暗い顔して、
- うちの会社はもうだめだ
- 週末に不渡り出して倒産する
- もうどうしようもない
とあちこちで1日中つぶやいていたらどうなりますか?
社員のモチベーションは下がり、得意先にも伝わって取引停止になったり、取り付け騒ぎが起きるかもしれません。
そうすると、1週間後には本当に倒産してしまうかもしれないんです。
倒産してしまう原因は、社長の言葉だけなんです。言葉だけで会社が倒産してしまうってすごくないですか?
これとまるっきり逆のことも、言葉によって起こすことは可能なんです。
それが敬語です。
このことを社長や上層部に説明して、改善していくことがとても大切になります。
部下への敬語使用で築かれる信頼関係
上司が部下に対して敬語を使うことは、信頼関係を築く上で非常に有効です。
もしも、今の段階で信用されてなければ、まずは敬語を使ってみてください。
敬語は単に礼儀正しいコミュニケーションを示すだけでなく、部下に対する尊重と評価を伝える手段ですから、かならずあなたの気持ちは伝わるはずです。
このような尊重の姿勢は、部下の自尊心を高め、職場での自己効力感を向上させます。結果として、部下はあなたに対して信頼と尊敬を持ち、より積極的に業務に取り組むようになります。
敬語を使用することで、あなたも部下との間に適切な距離感を保ちつつ、強固な信頼関係を築くことができます。
部下は、あなたからの敬語を通して、自分の仕事が適切に評価され、尊重されていると感じることができます。
このような信頼関係は、職場内のコミュニケーションを改善し、全体の業務効率とチームワークを向上させる効果があります。
上司が敬語を適切に使うことで、職場はより尊敬と信頼に満ちた環境となり、従業員の満足度が高まります。このことは、組織全体の生産性向上に直接的な影響を与え、長期的な成功に寄与する重要な要素となるのです。
上司の敬語使用とプロフェッショナリズムの表れ
上司による敬語の使用は、プロフェッショナリズムの重要な表れとして認識されます。
職場におけるプロフェッショナルな態度は、単に技術や知識の習得にとどまらず、コミュニケーションスキルや人間関係の構築においても重要です。
敬語の使用は、相手に対する敬意を示し、尊重する姿勢を明確に伝えます。これは、上司としての責任と自覚を示す行動であり、部下や同僚に対して良い模範となります。
プロフェッショナリズムを持った上司は、敬語を使って部下とのコミュニケーションを行うことで、職場の礼儀とエチケットを守り、健全な職場環境を促進します。
これにより、職場は尊敬と信頼に基づく積極的なコミュニケーションの場となり、従業員間の協力と助け合いが自然と促されます。
また、敬語の使用は、上司が部下の意見や感情を尊重し、職場内のダイバーシティとインクルージョンを重視していることを示す証ともなります。
上司が敬語を適切に使うことは、職場のリーダーシップを発揮する上での基本であり、部下に対して良い影響を与えます。
敬語を通じて上司が示すプロフェッショナルな態度は、部下にも良い影響を与え、彼らの職場における行動や態度に反映されることが期待されます。
敬語の適切な使用は、組織全体のプロフェッショナリズムを高め、職場の生産性と効率の向上に寄与するのです。
まとめ:上司が敬語で話してくれる心理。敬語を使うたった一つの理由とは?
この記事のポイントをまとめます。
- 上司が敬語で話す理由は尊重と礼儀の表現
- 敬語使用は職場のコミュニケーションを円滑にする
- 上司の敬語は部下のモチベーション向上に寄与
- 敬語を使わない上司には職場のモラル悪化のリスクがある
- 上司と部下の適切な距離感を保つため敬語の使い分けが重要
- タメ口使用がパワハラと見なされる場合もある
- 敬語の不使用は部下の自尊心を傷つける可能性がある
- 敬語使用は上司のプロフェッショナリズムの表れ
- 上司の敬語が部下との信頼関係構築に役立つ
- 敬語の使い分けは職場環境の改善に貢献
- 敬語使用が職場全体の生産性向上に影響
- 上司の言葉遣いは部下に模範となる行動を示す
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