こんにちは、3回転職してから起業した米山です。
恥ずかしながら全部で4回ほど退職願は書きましたので退職願の達人と言えるかもしれません。
会社を辞めようと思ったときに、いちばん初めに考えたのは退職願をどう書くのか?っていうことでした。初めてのことですからどうやって書いたら良いのか、さらには書いた後はどう言って会社に退職願を出せば良いのか、とても悩みました。
また、退職願とおなじようなことばに
- 退職届
- 辞表
などがあります。ドラマでは「辞表をたたきつけてやる!」とかのセリフをよく聞いたり、上司に退職届と書かれた封筒を手渡すシーンもあります。退職願の本文を書いたのは良いけども、タイトルと封筒の表にはなんて書けば良いのか?ってかなり悩みました。
そこで、退職願と退職届、辞表の違いと、退職願や退職届の書き方、さらには円満退職になる退職願の出し方を誰でもわかりやすく説明します。
退職願と退職届、辞表の違いは?
退職願と退職届、辞表の違いですが、カンタンにかくと、
- 退職願 退職したいというお願い
- 退職届 退職日が決まったときの書類
- 辞表 社長、役員などの雇用側や公務員が書くもの
となっています。
なぜ、違いがあるのかというと、あとでなんらかの問題が起きて訴訟になったときに証拠として出すためです。なんらかの問題とは解雇、つまり会社の都合で辞めさせたのか、あなたの自己都合で辞めたのか?ということです。
思い出してもらいたいのですが、会社とあなたは、雇用契約で結ばれていて立場は対等です。退職願や退職届は、働く側からその雇用契約の破棄する公的な書類になります。ドラマ『Missデビル』でも菜々緒さんが行ってましたが、あなたが持ってる権利です。
つまり、会社からクビになったワケではなくて、あなたが自ら言い出して会社を辞めたことを証明する書類になるわけです。
なので、退職願や退職届には、辞める理由は書いてはならなくて、すべて
「私事、一身上の都合により」
と書くようになってます。
つまり、あなたが会社を辞めようと思ったときに、いちばん初めに書いて持っていくものが退職願で、この日に辞めたいのですがどうでしょうか?と問いかけるものです。了承されて、退職の日にちが決定したら、退職届をだします。退職届を出したら退職の意思は撤回できません。退職届は出さないところが多いです。
零細企業、中小企業はそれほど厳格なことはありませんが、大企業になればなるほどしっかりやっておいた方が無難です。
もちろんこれは一般的なことです。社内規定に退職のことがこれとは別なことが書かれてればその通りにすることです。
退職願と退職届、辞表の違い
- 退職願や退職届はサラリーマン、辞表は社長や公務員
- 上司に相談するときには、退職願
- 退職日が決定したら、退職届
正しい退職願や退職届の書き方
退職願や退職届を書くときには、
- 白い便箋(A4やB5)
- 黒いボールペン
- 白い封筒
をつかいます。退職届はパソコンでも問題ないと思いますが、退職願は自筆が良いと思います。退職届も、名前の部分は自筆にしましょう。
退職願の書き方
退職願はこんな感じで書きます。
見やすいようにちょっと大きめに書いていますので、便箋の罫線に合わせて書いてください。日付や名前などをあなたの状況に入れ替えて、何も考えずにこのままかけばだいじょうぶです。
サンプル文例はこちら
このたび、一身上の都合により、勝手ながら、
二〇二〇年〇月〇日をもって退社いたしたく、
ここにお願い申し上げます。
二〇二〇年〇月〇日
ポイントは、
- 一番初めの「私儀」は一番下に書く
- 理由はすべて「一身上の都合により」
- 印鑑を押す
- 代表取締役社長宛てに書く
- 名前はフルネーム
法律では、退職願を出してから2週間すると会社を辞めることができます。ただ、それでは会社側も困ってしまうことになりかねないですから、あなたの仕事に応じて1ヵ月後、2か月後の日にちを、退職希望日として書いておくことです。
また、退職願を書くのと同時に、今のあなたの状況を別な紙に書いておきましょう。状況とは、
- 会社を辞めたい理由
- 辞めざるを得ない理由
- 仕事の問題点
などです。詳しいことは下で説明します。
退職届の書き方
退職届は、退職願の文字を退職届にすることと、「退社いたしたく、ここにお願い申し上げます。」の文章を「退職いたします。」に変更すれば大丈夫です。
これを上下に3つに折って封筒の中に入れて持っていきましょう。
封筒の表書きは「退職願」「退職届」です。裏面に所属部署と名前を書いていきます。もちろん、のりなどはせずにすぐ出せる状態で相手に向かって字が読める状態でだしましょう。
書き方や、出し方には特別難しいことはありません。上のサンプル通りに書いて上司にだすだけです。退職願は代表取締役社長宛てに書きますが、出すのは直属の上司で大丈夫です。いきなり社長にもっていっても、相手が困ってしまいます。まずは上司に出しましょう。
ただ、問題は、どうやって退職を切り出すか?・・・になってくるのではないでしょうか。話があると言って呼び出して、いきなり退職願を出されたら相手も戸惑ったり怒ってしまいます。
うまくいく退職願の出し方はまず相談をする体で
退職願の出し方は本当に難しいです。
というのも、会社をやめようとおもってあなたは毎日考えすぎて煮詰まってるのですが、相手は何も考えていないからです。おそらく、寝耳に水状態とか青天のへきれき状態です。あなたは、
- ぜったいやめてやる
- もうすこしでもいたくない
- 早く新しい会社に行きたい
って思ってるはずです。そんなときには、退職願をだすことだけが頭の中でぐるぐる回っていて相手のことをよく考えることができないんです。
もっと言えば、あなたにそんな風に考えさせてる上司は無能ですから、あなたのことは全く見てません。自分の仕事だけが手一杯な人のところに、いきなり「辞めます」なんて言いにいけば、逆切れするのはあたりまえです。
中学生の初めての告白と同じです。一度も話したことがないひとに、
「ずっと前から好きでした。ぜひ、つ、つ、つき合ってください」
と、涙ぐみながら言われたらどうですか?ほぼ100%「ごめんなさい」っていう感じになりますよね。なにも思っていないひとに考えてもないことを言われると、かならず拒否したり否定するのが人間です。
なので、まずは、相手の立場に立って、話を聞いてもらえる環境をつくることが大切です。
まずは話を聞いてもらえる時間・場所・状況を決める
環境とは、時間、場所、状況です。相手にとって聞きやすい時間や場所・状況で話をすることが大切になってきます。
まず、時間ですが、相手が暇なときや少し疲れてるときが良いです。候補としては、
- 週末の午後
- 帰り間際
- 水曜日か金曜日の3~5時、または退社前
という感じです。あなたが一生懸命話をしようとしても、相手に緊急の仕事があったり、一日の初めのテンション高めの時は避けた方がいいです。
場所は、相手のテリトリー、つまり相手の机の周りで話しかけて会議室などに移動する方が良いです。出張中とか営業先、現場などでは言いださない方が良いです。
状況としては、仕事がひと段落終わってホッとしてるときとか、ご飯や3時のおやつをたべたあとに話しかけるのが、聞いてもらいやすくなります。メチャクチャ忙しいときに話しかけても怒られるだけです。
話しを聞いてもらえる環境を決めたら、退職願を出すときに一緒に出す書類を作成します。
退職願と一緒に出す書類
退職願と一緒に、やめたい理由やどうしようもならない事情をA4の紙や便せんに書いておきましょう。
これは決められてるわけではなく、やってる人もあまり見かけませんが、退職を切り出すときに一緒に見せることで話し合いがスムーズにいきます。その理由は、相手の目を見て話さなくてもいいということです。紙やメモを出せば、相手はその紙やメモに目が行くからです。相手の表情を見ながら話せるので、おちついて言いたいことを言えます。
書き方は箇条書きでも何でも大丈夫です。見やすいように大きめの字で図があれば書いておくことです。
書く内容は
- 会社を辞めたい理由
- 辞めざるを得ない理由
- 困ってること、問題点
- 解決方法
などです。なるべく細かく、詳しく書くことです。
最初の3つは、例えば
- 給料が安い
- 人間関係が悪い
- 仕事が合わない
- やりたいことが別にある
などです。
それにたいして、あなたが考える解決方法も書いておきます。上の例の問題点の解決方法としては、
- 給料アップ
- 人間関係が悪い人とは別の部署に
- 別な仕事への移動
- やりたいことをやらせてもらう
基本的に、いまの会社ではできないというようなことや大げさなことを書いておけば良いと思います。
その次は話し方です。
話しの流れがとても大切です
環境が整ったところに話しかけるのですが、話し方と話の流れがとても大切になってきます。どういう感じで話をもっていくか?ということです。
上司が下を向いて仕事してるときに、いきなり目の前にやってきて大声で「会社を辞めたいです」と叫んだらどうなると思いますか?話を聞こうと思う前に、怒り出すのではないでしょか。
なので、普通の声で、
「スミマセン。お話があるのですが、ちょっとよろしいですか?」
とまずは、相手の時間をさいてもらうことに感謝をして、密室に移動することです。できれば、周りの人に聞かれないようにした方が良いです。その時点で、相手の上司も「ん?」と思うはずです。
部屋に移動したら、まずは、用意してきた退職願を出して、「実は、退職したいのですが」と切り出します。相手も忙しいですから、はじめにごにょごにょというよりも、いきなり要件を話した方が良いです。
そこで、おそらく「理由は?」と聞かれますので、先ほど書いた紙を出しながらあなたの現状を話していきましょう。先ほども書きましたが、上司はその紙を見てくれますので、あなたは上司の顔色をうかがいながら話せます。仮にも上司なので、あなたよりも場数を踏んでたり、トークもうまいはずですので、いくらかでもこちらに有利に話を進めていくのが得策です。
その上で、上司に、「こういう問題があるんですが、この会社ではこういう風にしないと解決できないと思います。あなたはどう思いますか?」と相談という形で話すことです。
つまり、初めから「これこれの理由があるから辞めます」という流れではなくて、こういう問題があって、この会社や今の自分では解決できないので辞めざるをえないという方向に持っていくんです。
なので、問題点と解決方法は、あなたの考えれる限りのことをなるべく具体的に書いておくことです。
例えば、上の例の一番上の「給料が安い」という問題では、単純に安いと書くだけではなくて、
- 家族がいる
- 両親の世話
- ローン
- 家賃
- 食費
などを細かく書きましょう。具体的には、
- 子供の養育費で1ヵ月に3万円かかる
- 両親の面倒を見るために1ヵ月10万円かかる
- 車や家のローンで1ヵ月に10万円払う
- 家賃が8万円
- 家族の食費が1ヵ月10万円
- 1ヵ月に合計41万円かかる
- でも、今の給料は30万円しかない
など具体的な数字や関わってる人、病気名、家族の状態などを書くことです。嘘はいけませんが、多少盛ることは良いのではないでしょうか。
それを一つずつ説明しながら、いまの給料では絶対にやっていけないということを理論的にわからせていくんです。上の例でいえば、ほとんどの上司が「ここまで苦しいんなら仕方ないよね」と思うはずです。逆に、このまま今の会社で同じ給料で働いてもらうのに、ちゅうちょするかもしれません。
人間関係で言えば、このままだと病気になるかもしれないし、それは相手も同じことで、生産性も落ちるといったようなことをあなたの視点からだけでなく、上司の視点、部下の視点などから網羅して書いておくことです。
つまり、単純に「退職したいんですが・・・」と切り出すのではなくて、あなたが思ってることをすべてさらけ出して、そのうえでその問題の解決方法を上司といっしょに考えていくと言うていにすれば、お互いに納得する円満退社をすることができるはずです。
退職願の出し方のまとめ
- 話を聞いてもらいやすいときに話しかける(環境づくり)
- 問題点、解決方法を書いた紙を用意しておく
- 退職したいという気持ちを言うのではなくて、相談するていで
損をしない退職は、退職願の出し方にあり
退職願、退職届、辞表の書き方や退職願の出し方をおはなししてきましたが、お分かりになってもらえたでしょうか。書類の書き方は、どこにでも載っていますし、テンプレートもありますので迷わないと思います。
ただ、何も考えずに退職願をもっていって「辞めます」と言ってしまえば、余計な手間や神経をすり減らすことが必ず起きます。けんかになったり、会社内で村八分的になってしまうこともあります。あなたの時間やエネルギーをいたずらに奪ってしまうのは、損以外何物でもありません。
さらに、あなたの心やメンタルにもマイナス面が出てきます。それは、言いたいことをはっきり言わないで転職すると、あなたの新しい人生をスタートできないばかりか、新しい会社でも同じようなくりかえしになってしまうからです。しっかりと、今の会社と向き合うことが大切になります。
多くの転職について書かれてるサイトには、マイナスのことは言わずにやりたいことがあるからと言えとか、両親の面倒を見なくてはいけないと言うウソを言えとか上辺の理由を話した方が良いと書かれているサイトが多いです。
それはそれで、波風を立てずに生きていく方法なのかもしれませんが、わたしはお勧めしません。
というのは、あなたの心の中に思ってることが、どこにも行かずにずっと心の中にたまっていってしまうからです。忘れたとおもっても無意識の中にありますので、新しい会社に行っても、同じように不満や不平がたまっていくはずです。
その結果、同じように転職を考えてしまうようになる人が多いです。そうすると、「前と同じに辞めればイイや」と簡単に思いがちです。言い換えれば、今までの人生にフタをして、なかったことにして新しいことをはじめようという感じです。
ふたをしても絶対に出てきます。せっかく新しい会社、人生を歩むのですからゼロにリセットしておいた方がいいです。
いまの会社で働いてきた時間もあなたの大切な人生です。そこで感じたいろいろなこと、新しいところに行きたい、人生をリセットしたいという気持ちを、あなた自身でも認めておくべきだと思います。そうすることで、あなたの心はワンランクアップしていくはずです。
一度思いっきり向き合う経験をしておけば、次に同じような事がおきても心にしまい込むのではなくて、外に出すことで解決していこうという気持ちになるはずです。それは、思いっきり向き合って今の会社を辞めることができたら、すごい気持ちよくなるはずだからです。
気持ち良い経験をしたら、もう一度味わいたくなります。同じようなことをすれば、今回と同じような結果になると心の奥で考えるからです。
逆に、嘘をついて辞めたり、今話題の退職代行を頼んでなんとなくやめてしまったら、後味が悪いどころか、同じことを再び繰り返すはずです。そうならないためにも今の会社と正面から向き合ってください。
新しい人生に旅経つためには、いちど句読点を打つ必要があります。句読点は、ウソの転職理由を話していては、打つことができません。
そのためにも、問題点、解決方法は、ゆっくり考えて書いておくことをお勧めします。
そのうえで、損をしない退職をするには、相手が納得しやすい退職願の出し方をすることです。今あなたが思ってる問題点をしっかり書いて、その対策もすべて考えたうえで、どうすればいいのかを相談する形で上司と話し合いをしていくことです。
また、そういったことを考えてながら、次の職場を探すために転職サービスに無料登録しておくこともおすすめです。次が決まっていれば比較的冷静に話し合いをすることができるからです。
退職は人生の選択の中でもトップレベルの岐路になります。感情だけで突っ走ってもいいことは一つもありません。冷静に、理論的に、どうすれば未来が幸せになるのかを考えながら進めていきましょう。
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